2011年(平成23年) 8月17日(水)付紙面より
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城下町・鶴岡の夏を彩る「荘内大祭」が15日、鶴岡市の鶴岡公園など市内中心部で行われた。メーンの大名行列は、甲冑(かっちゅう)列や女人列など江戸時代の参勤交代の行列を約500人が再現。目抜き通りを練り歩く壮大な時代絵巻が沿道の市民や観光客の目を楽しませた。
鶴岡に現在も伝わる大名行列は、旧庄内藩の歴代藩主を祭る荘内神社の創建を記念して、1877(明治10)年に行列を再現したのが始まりとされる。「荘内大祭」の名称になってから今年で21回目を迎えた。
この日は午後2時から鶴岡公園北広場で東日本大震災の復興祈願祭が執り行われ、三役奴(やっこ)振りや巫女(みこ)舞、庄内松山藩・庄内藩荻野流砲術などが披露された。同3時に広場を出発し、旧藩主墓所―上肴町通り―市役所―銀座通り―三雪橋―鶴岡公園に戻る約2・7キロを歩いた。
重さ20キロ前後のよろいとかぶとを身に着けた甲冑列をはじめ、華やかな着物で飾った奥方たちの女人列、馬上で堂々としたいでたちの藩主役などが続いた。呼び物の三役奴振りは、今年初めて小学生が参加。高校生や大人の奴振りに先立ち、朝暘三小の6年生10人が「よーいとな」と威勢の良い掛け声を上げながら、夏休みに入ってから毎日重ねてきた練習の成果を披露した。やりを投げて見事に受け渡すと、沿道の見物客から大きな拍手が起こっていた。
同日夜には、川端通り沿いのビアガーデンの一角に特設会場を設け、男女の出会いの場を提供するビアパーティー「浴衣で縁結び」などが開かれた。
2011年(平成23年) 8月17日(水)付紙面より
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鶴岡市渡前地区の獅子踊りが10年ぶりに復活し15日、地区の鎮守・五所神社境内で奉納上演された。大勢の地区住民らが、伝統の様式にのっとった優美な踊りに引き込まれるように見入った。
渡前獅子踊り保存会(丸山聡会長)が、5年ほど続けては10年ほど休むことを繰り返しながら継承しているもので、今回は2001年以来。伝統の4種の踊り(大踊り、牝獅子掛り、橋掛り、幕掛り)のうち、今年は大踊りを、地区の青年らが5月末から練習を重ね、この日午後2時と同7時の2回、奉納した。
昼の奉納は、保存会関係者が踊りの粗筋や、「獅子は村人に退治されるが、豊穣(ほうじょう)と平穏の象徴でもある」といわれなどを解説した後、社殿脇で約1時間にわたり上演。胸の太鼓をダンコンダンコンと打ち鳴らしゆったりと回ると、藍(あい)染めの幕が風をはらんで大きく膨らみ、勇壮さと優美さを醸し出した。
強い日差しとせみ時雨が降り注ぐ中、住民らは社殿の日陰などで見物。「頑張れー」と声援を送りながら、復活した獅子の姿に見とれていた。
大人の獅子踊りに先立ち、渡前小の4年生を中心にした子ども獅子踊りが披露された。踊りと太鼓演奏を分担したもので、大人とそっくりの衣装を身に着けた踊り手たちは迫力ある演舞で大きな拍手を受けていた。