2012年(平成24年) 3月28日(水)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館(村上龍男館長)でシロザケの稚魚が展示されている。海で成長する様子を再現しようと海水を満たした水槽の中を、数千匹に及ぶ稚魚の群れが元気に泳ぎ回っている。
シロザケは、国内で一般的に言われる「サケ」で食卓に登場するなじみの深い魚。同館のシロザケは、赤川鮭漁業生産組合(同市伊勢原町)赤川ふ化場から譲り受けたもの。川へ放流可能な大きさ(体長約5センチ)に育っている。
同館の奥泉和也副館長によると、稚魚たちは海水で満たされた水槽にすぐに順応。中にはズワイガニも飼育されているが、素早い泳ぎの稚魚が捕食されることはないという。今後は稚魚たちの成長の過程を来館者からも観察してもらう。
近くの水槽には昨春に生まれ、同館で1年を過ごしたシロザケも展示されている。こちらは体長15―20センチまで成長した個体が数百匹おり、「生まれて2年目の個体はほとんどがアラスカなど北方の海域で生息しており、漁業の対象にもならないので、このサイズのシロザケが人目に触れることはまずない」(奥泉副館長)という。成長に伴い、さらに大型の水槽に移す予定。稚魚、2年目の個体とも当面の間、館内で展示する。