2012年(平成24年) 5月23日(水)付紙面より
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酒田市の南平田小学校(古川雅裕校長)の5年生54人が21日、学校そばの田んぼで田植えの体験学習を行った。女子は、全員がハンコタンナにかすりの着物という「早乙女」スタイルに変身。五月晴れの下、かつて庄内地方で繰り広げられた光景が再現された。
稲作を学ぶ5年生の一連の行事。20年目を迎えた今年も地元の農家・土田治夫さん(51)が所有する学校北側の田んぼ10アールに、10センチほどに育った「つや姫」の苗を植えた。
この日はまず、校舎裏で開始式。土田さんから「苗5、6本を、田んぼに付けた印の十字の所に指で挿し込むように植える」などの説明を聞いた。
その後、田んぼに移動し、女子はハンコタンナ姿、男子は菅笠(すげがさ)をかぶって作業。足を恐る恐る田んぼに入れ、「キャーキャー」と歓声を上げながら苗を植え付けた。
田植えは初めてという土岐如弥君(10)は「泥がぬるぬるして微妙な感じ。たまに足が抜けなくなるので大変」と感想。母方の祖母・三浦ふみ子さん(62)の嫁入り道具というハンコタンナやもんぺなどを身に着けて参加した伊藤花穂さん(10)は「着付けは簡単だった。この姿で作業するのは暑いけど頑張った。稲刈りが楽しみ」と話した。土田さんは「稲作は日本の文化。かつての作業風景などは、できるだけ残していきたい」とし、同校の体験学習にも「体が続く限り協力する」と話していた。