2012年(平成24年) 7月8日(日)付紙面より
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酒田市立酒田看護専門学校(小熊正樹校長、学生80人)の宣誓式が6日、酒田勤労者福祉センターで行われた。2年生25人がそれぞれの目標を述べるとともに、全員で「ナイチンゲール誓詞」を唱和。看護師としての責任を認識し、看護の専門職として歩むことを誓った。
同校は、酒田地区医師会(本間清和会長)を中心にした「十全堂社」が運営していた看護専門学校を市が受け継ぎ、全日制、3年課程で2010年4月に開校した。
宣誓式は、来月から病院や施設での臨床実習が始まるのを前に、学生一人一人が自分の目指す看護師像を発表し、あらためて研さんを積む誓いを述べるもの。同校では、卒業までの折り返し点に当たるこの時期に行っている。
この日は在校生、保護者ら約130人が出席。小熊校長が「患者の小さなサインも見逃さない看護師になってほしい。心を開けばおのずと道は通じる。看護師として大きく成長することを期待する」と式辞を述べた。
阿部寿一市長の祝辞などに続き、2年生を代表して池田結翔梨さん(酒田市)が「何度もくじけそうになったが、患者から温かい言葉を掛けていただき前向きになることができた。今は『看護師になりたい』という気持ちがさらに強くなった。どんなときも仲間と支え合い頑張っていく」と誓いの言葉。3年生の池田咲さん(同)が「これからも苦しい時、つらい時、悩む時があると思う。そんな時は今日を思い出し、乗り越える力にしてほしい。宣誓式が今後の学習の原点になることを望んでいる」と激励した。
校章のキキョウをあしらった記念章を白衣の胸元に付けてもらった2年生たちは、明かりをともしたろうそくを手に「みとりという現実から目をそらさず、一生成長し続けていきたい」「患者の気持ちに寄り添った看護を提供していく」「私を必要としてくれる人がいる限り、看護師になる夢を捨てない」などと、それぞれの目標を発表。
最後に「われは、心より医師をたすけ、わが手に託されたる人々の幸のために身をささげん」などのナイチンゲール誓詞を全員で唱和。心新たに学んでいくことを誓った。
2012年(平成24年) 7月8日(日)付紙面より
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地震発生による津波災害を想定した情報伝達訓練が6日、鶴岡市内の沿岸部で一斉に行われ、保育園児や小中高校の児童生徒、地域住民、福祉施設の入所者たちが情報をもとに高台への避難訓練などを繰り広げた。
情報伝達訓練は、1993年の北海道南西沖地震を教訓に例年この時期に実施している。市役所本所と消防本部にある防災行政無線の親局から、海岸部の屋外スピーカーと公民館や学校などに設置している戸別受信機に地震や津波などの災害関連情報を一斉に伝達するもの。昨年の東日本大震災の教訓から、新たに加茂水産高が訓練に加わるなど、39団体から昨年より約300人多い約2300人が参加した。
訓練は、午後2時に地震発生を知らせる第1報の後、大津波警報発令と高台への避難を呼び掛ける放送で開始。湯野浜地区では、海抜約7メートルにある湯野浜小学校(竹田茂校長、児童123人)と、隣接する特別養護老人ホームしおん荘、養護老人ホーム湯野浜思恩園の一部の入所者らが、学校や施設が面している国道112号の坂道を上って、近くにある海抜約15メートルのコンビニ駐車場に1次避難。同校は全員の避難を確認した後、上級生が下級生の手を引いて、さらに坂の上にある海抜約20メートルのホテルの前庭へと避難した。
湯野浜地区は、東日本大震災を踏まえて県が今年3月に公表した津波被害の想定で、最大津波高8・8メートル、地震発生から約20分後に第1波が到達するとされた。この日の湯野浜小の訓練では、コンビニ駐車場までに要した時間は約5分、ホテル前庭までは13分半ほどだった。
同校の松田裕可教頭は「今回の訓練は余裕があったが、雨が降っていれば雨具を着たり、外靴に履き替えたりと条件が変わってくる。実際の場面では、周辺施設から道路に出入りする車両も多くなり、歩道を安全に歩いて避難できるかが課題。今後の訓練では、こうした点にも気を配りたい」と話していた。