2012年(平成24年) 12月21日(金)付紙面より
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小学校の元教諭で現在、「ピエロ」などパフォーマーとして活躍している菊地悦郎さん(53)=山形市=が20日、酒田市の東平田小学校(荘司秀明校長、児童68人)を訪れた。菊地さんは同校でも教壇に立ったことがあり、来年3月に閉校されることを聞いて駆け付けたもの。菊地さんの演じるピエロに児童たちは大笑いしながら見入っていた。
菊地さんはもともと芝居好きで、20年ほど前に小学校のクリスマス会で演じようとパントマイムを学んだことをきっかけに、ピエロに扮(ふん)するようになったという。「子供たちにわくわく感を」と今年3月、教諭を早期退職し、ピエロをはじめとした「パフォーマー」の道へ。現在は内陸地域を中心に公演を繰り広げ、各地で好評を得ている。
同校は来年4月、北平田、中平田両小学校と統合し、「平田小学校」として生まれ変わることから同3月末で134年の歴史に終止符を打つ。1988年4月から6年間、東平田小で教えた菊地さんは「児童たちの心に残るものを」と、同校に対し公演の開催を手紙で打診。同校が快諾し実現した。
この日は全校児童と教職員、父母らが見守る中、ピエロ姿の菊地さんが登場。四方を壁で囲まれた部屋から脱出する様子をパントマイムで演じたほか、カラスの人形「クロスケ」「ピンク」「アオスケ」を用いて腹話術を披露。細長い風船を使ったバルーンアートでは、犬やキリンが出来上がると、児童たちからは「すごーい」と歓声が上がった。
また、菊地さんのオルガン伴奏で児童が「幸せなら手をたたこう」を合唱するなどし、交流を深めた。6年生の大井幹士君(12)は「パントマイムとバルーンアートが面白かった」と話していた。会場には菊地さんの当時の教え子も訪れ、「懐かしい」「当時もこんな感じだった」と述懐していた。