2012年(平成24年) 12月29日(土)付紙面より
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出羽商工会(小野木覺会長)農業部会が進めている地元農産物の販路拡大の一環で来春、県産米「つや姫」やレトルトパックの芋煮など、県内の特産品をセットにしたゆうパック「うめちゃ山形セット」が西日本を中心に販売されることになった。同商工会では「宣伝効果は大きく、地元農産物の販路拡大につなげていきたい」としている。
農業部会は、農業者の会員が増えたことから2010年7月に設立。農商工連携のモデル的事業として、温泉地周辺での観光農園構想や、関西圏を中心にした地元農産物の販路拡大などに取り組んでいる。
同商工会によると、今回のゆうパックは、今年5月に大阪市内で開かれた「東北復興チャリティーイベント」の山形物産展に出展したのをきっかけに、近畿地方の日本郵便の関係者から「東日本支援の一環で山形県産品のゆうパックを」と打診された。
9月に大阪市内で行われた試食会には、米や漬物、郷土料理など、山形らしさが出ている候補13品を持参、日本郵便の関係者に食べてもらった。特に「つや姫」は「おいしい」と評価が高く、これを中心に、ご飯に合う食材とのセットにすることになった。
パックにするのは「つや姫」2キロをはじめ、パック詰めの豚肉のカレー、山菜ご飯のもと、芋煮、玉こんにゃくの計5品。米とカレー、山菜ご飯のもとの3品が庄内、他の2品が内陸の業者の製品。県の協力で、JRの観光キャンペーン「山形デスティネーションキャンペーン(DC)」のプレ企画(来年6―9月)のパンフレットも入れる予定。価格3600円(税込み)で来年4、5月の2カ月間、西日本を中心に全国の郵便局で販売してもらう計画だ。
これまで各業者との契約や、チラシ、パック用段ボール箱のデザインもほぼ終えているという。
出羽商工会ではこれに合わせ、会員らの出資で株式会社「出羽の四季」(仮称)を設立。今回の各製品の取りまとめと販売業務を委託するほか、農業部会が進めている農商工連携の製品開発や加工、販売事業、観光農園構想の推進などを本格的に担っていく方針だ。
小松強事務局長は「販売数は、これまでの類似セットの実績から10万セットを目標にしている。観光PRを含め宣伝効果は大きく、みんなに『良かった』と喜んでもらえる実績をつくりたい。それを足掛かりに、生鮮食品を含め、販売品目や量の拡大につなげていきたい」としている。