2012年(平成24年) 2月21日(火)付紙面より
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「酒田こども歌舞伎」の本年度発表会が19日、酒田市の希望ホールで行われた。17人のかわいい役者がおなじみの名場面を上演。本物の歌舞伎同様、決めぜりふを披露すると客席から掛け声が飛んだ。
教室を設けて子供たちに日本の伝統文化である歌舞伎を体験、習得してもらおうと、同市出身の元歌舞伎役者で日本舞踊「千川流」(本部・同市亀ケ崎二丁目)2代目家元の千川貴楽さんが中心になって実行委員会を組織。2008年度から毎年発表会を開き、日頃の稽古の成果を披露している。
昨年度から運営形態を保護者主体の「『酒田こども歌舞伎』の会」(平山敦子会長)に変更。本年度は酒田市と鶴岡市の小学1年生から6年生まで計17人が、千川さんらを講師に昨年7月から月2回のペースで稽古を重ねてきた。
この日は、石川翼久市教育長が「伝統ある歌舞伎を通して子供たちが健やかな成長を遂げるよう、今後も温かく力強い支援をお願いする」、同会名誉会長の新田嘉一平田牧場会長が「芸術・文化を大事にする民族は栄え、元気になる。そうした活動をみんなで支えることが、酒田の発展につながる」と、それぞれあいさつした。
舞台は、大ヒットした歌謡曲「お富さん」で知られる「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」の一場面「源氏店(げんじだな)」で開幕。笑いあり涙ありの一幕二場、65分に及ぶ長丁場の演目で、子供たちはそれぞれの役に成り切って迫真の演技を披露。詰め掛けた家族らから声援と大きな拍手が送られた。
その後、歌舞伎舞踊「越後獅子」、賛助出演の「浜田ジュニア琴合奏団」の演奏、塾生6人による「口上」と続き、最後に「酒田こども歌舞伎」の定番になっている「青砥稿花彩画(あおとのぞうしはなのにしきえ)」から「白浪五人男―稲瀬川勢揃いの場」。日本駄右衛門らの名ぜりふが決まると、会場は大きな喝采に包まれていた。
2012年(平成24年) 2月21日(火)付紙面より
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「雪の降るまちを」鶴岡冬まつりのメーン行事「鶴岡音楽祭2012」が19日、鶴岡市文化会館で開かれた。新進チェリストの上村文乃さん、ソプラノの半田美和子さんの2人をゲストに招き、山形交響楽団のオーケストラで歌劇などの演奏が繰り広げられ、約800人の聴衆が美しい音楽に酔いしれた。
名曲「雪の降る街を」は、故中田喜直さんが雪に埋もれた鶴岡の一夜の光景をモチーフに作曲したとされる。このメロディー発想の地にちなみ、実行委員会が1985年から毎年、音楽祭を開催している。
コンサートは3部構成で行われ、斎小学校ミュージックベル隊の「雪の降る街を」の演奏で幕開け。1部の「祈りを込めて」は、桐朋学園大3年の上村さんが山響と共に、ドボルザークのチェロ協奏曲ロ短調作品104を第1楽章から第3楽章まで全曲演奏した。
2部の「歌声に心をゆだねて」は、二期会会員で国内外の著名な指揮者と共演するなど幅広く活動を展開する半田さんが出演。グノーの「ロメオとジュリエット」、ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」などの歌劇からアリアの名曲を歌い上げた。また、合唱版では地元の高校や合唱団も出演した。
3部の「全員合唱」では特別ゲストとして中田さんの夫人の幸子さんが出演し、出演者と会場が一体となって恒例の「雪の降る街を」と「早春賦」を盛大に歌い上げ、音楽祭の幕を閉じた。