2012年(平成24年) 3月1日(木)付紙面より
ツイート
山形大学農学部(西澤隆学部長)が栽培した酒米を使ったオリジナル純米大吟醸「山形大学燦樹(きらめき)2012」の発表会が28日、同学部の大学生協食堂で開かれた。「さっぱりとした飲み口でおいしい」などと好評だった。
オリジナル酒は、大学のPRやイメージアップを図ることを目的に2007年から販売。商品名の「燦樹」は、「地域の中できらめく大学」「地域に深く根差した大学」などの意味が込められている。
酒米は山大付属の高坂農場の水田(30アール)に作付けした酒造好適米「出羽燦々(さんさん)」を使用。今年は約1トンを収穫したが、目標の収量に達することができず全体の約2割を金山町産のもので補った。醸造は鯉川酒造(庄内町)に依頼。限定で生酒800本、火入酒1200本(いずれも1本720ミリリットル)を製造した。
この日の発表会には同学部の教員や職員ら約30人が参加。西澤学部長は「オリジナル酒の売り上げの一部は東日本大震災で被災した学生たちの奨学金として役立てられるため、多くの人から買い求めてほしい」とあいさつ。続いて、燦樹の生酒の冷酒で乾杯。参加者から「とても爽やかな飲み口で特に若い女性に受けが良さそう」「手間をかけて造られていると感じられ、とても味わいがある」などと好評だった。
燦樹は生酒が3月1日、火入酒が4月中に販売スタート。ともに価格は1700円。売り上げの一部は「山形大学未来基金」に寄付され学生の奨学金に役立てられる。各キャンパス内の大学生協店舗の他、同生協ホームページで取り扱っている。
問い合わせは山大大学生協=電023(641)4380=へ。
2012年(平成24年) 3月1日(木)付紙面より
ツイート
酒田市中心街の百貨店「中合清水屋店」の営業から2月いっぱいで撤退する中合(本社・福島市)から事業を引き継ぐビル所有・管理会社「マリーン5清水屋」(同市中町二丁目)の成澤五一社長は28日、同市内で記者会見を開き、新たに「マリーン5清水屋」として3月5日に再スタートし、同23日には地元百貨店として生まれ変わったことを示すセレモニーを行うと発表した。中合の従業員80人は、本社に戻る5人など計7人を除く73人をマリーン5清水屋が再雇用する。
成澤社長によると、2月23日に中合と事業の部分譲渡契約を締結。百貨店事業の継承が決まった。マリーン5と契約を結んできたテナント20店舗のほか、中合との契約3店舗のうち2店舗は営業を継続。これまでショップ展開してきた取引先も大半はそのまま残る。ただ、レジシステムの変更などのため1日から4日までは全館閉店。5日以降も売り場の改装や移動を行いながら陳列販売する。
17日には「食の都庄内」親善大使・太田政宏シェフの西洋レストラン「ロアジス」と、そば・うどん和食の「さくら」が5階レストラン街にオープン。同時に酒田天然ガスとの共催で、太田シェフが講師を務める料理教室をスタートさせる。23日からは「全国うまいものまつり」、4月4日からは「北海道物産展」を開催。全館挙げてイベント企画を展開し、「新生マリーン5清水屋」をアピールする。
5月中旬には、4階フロアのほぼ半分を占め書店としては庄内最大級の売り場面積となる宮脇書店(約1000平方メートル)が開店。ヤマダ電機のフランチャイズ店や一時託児所もオープンする。
全店改装を終えた10月にグランドオープンを予定。各階の主な店舗構成は1階が食品とアクセサリー、2階が婦人服、3階が婦人服と紳士服、4階が書店、暮らし用品、5階がベビー・子供服、レストラン、催事場、6階がイベントホールとなる見込み。
従業員は中合から移る73人に加え、強化を図る外販部門などに新規採用し、計97人を雇用する予定。従来からのメーカー派遣社員とテナント店員らを含め、中合時代より10人多い254人が働くことになるという。初年度の売上目標は2011年度実績(32億4000万円)比8%増の35億円(直営27億円、テナント8億円)。
成澤社長は「スーパーや量販店にはない『百貨店ブランド』の販売で差別化を図るとともに、外販活動を積極的に展開して商圏やネームバリューを拡大する。得意先を回って営業し商品を届けるところまで行う」とした上で、「17年ぶりに地元(経営)に戻る。地元に愛される地元のための百貨店として、地元にサービスをお返しすることを実践していく」と語った。