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2012年(平成24年) 3月10日(土)付紙面より

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森の恵みを味わう メープルシロップ 樹液採取体験 大網保育園

 鶴岡市の大網保育園(渡部祐子園長、園児8人)の園児たちが8日、近くのブナ林でメープルシロップになるイタヤカエデの樹液採取に挑戦した。

 同園は、行政や民間、市立の保育園などで組織する「つるおか森の保育研究会」の拠点施設として、市内の園児たちとともに、四季折々の自然に親しむ保育活動に2010年度から取り組んでいる。

 今回の活動は同研究会の自主保育事業の一環。大網保育園の独自の活動として、樹液採取を通して子供たちに木の生命力に触れてもらうとともに樹液を食育につなげ、森の恵みを味わおうと毎年実施している。

 この日は2―6歳までの全園児と地域のお年寄り、保育研究会のコーディネーターを務める上山剛司さんらが参加。青空が広がる天候の中、園児たちは自生しているイタヤカエデ3本のうち2本に電動ドリルで穴(直径約1・5センチ、深さ約2センチ)を開けてもらい、ホースを挿入して樹液を採取した。穴の中から染み出てきた樹液がホースを流れると、園児たちは「すごい。いっぱい出てきた」と歓声を上げていた。

 参加した井上宗介君(6)は「樹液は甘くて苦かった。みんなで樹液を採ることができてすごく楽しかった」と話していた。

 採取した樹液は煮沸消毒してメープルシロップにし、パンに付けたり、炊き込みご飯にして食べるという。

樹液採取に取り組む大網保育園の子供たち
樹液採取に取り組む大網保育園の子供たち


2012年(平成24年) 3月10日(土)付紙面より

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羽黒高「創造の館」築後100年 音楽で祝う

 鶴岡市の羽黒高校の吹奏楽部が活動場所にしている同校敷地内の「創造の館」が築後100年を迎えた。かつて鶴岡裁判所として使用されていた建物で、100歳を迎えた館を祝うため部員たちが手作りのコンサート「春風演奏会2012」を16日、庄内町の響ホールで開催する。

 「創造の館」は旧鶴岡裁判所として1912(明治45)年、現在の鶴岡市役所駐車場付近に建てられた。75(昭和50)年、市役所北側に新しい裁判所(現山形地方裁判所鶴岡支部)が設置された後、市庁舎として使用されたが81(昭和56)年、老朽化に伴い取り壊されることになった。

 しかし、当時の羽黒学園理事長の秋元正雄氏が「歴史ある建物を失うのはしのびない」と建物の一部を引き取り、当時の羽黒工業高校敷地内に移築復元された。移築されたのは旧裁判所の法廷や会議室、検察庁事務室など約470平方メートル分。

 建物は「創造の館」と名付けられ、2000年ごろまで学校図書館として使用された。その後、進学クラスの教室として数年使われ、03年から吹奏楽部や書道部の活動場所となった。

 築後100年を迎えた現在、壁や窓枠など一部を修繕したが、屋根瓦や柱、床などは当時のまま。吹奏楽部顧問の本田礼教諭は「隙間風や雨漏りに悩まされることもあるが、生徒たちが周囲に気遣うことなく練習に励める場所。昨年3月の大震災でも大きな揺れに耐えてくれた。愛着のある建物」と話す。

 吹奏楽部のコンサートは、「創造の館」の築後100年を記念するとともに、今月5日に卒業式を迎えた3年生部員4人の高校生活最後の演奏会としての意味合いも持たせた。3年生が実行委員会(西脇緑委員長)をつくり、プログラムや案内はがきなどを作製するなど準備を進めている。

 当日は午後5時開場、同5時半開演。2部構成で、第1部は県内唯一の高校ビッグバンドらしく数々のジャズヒットナンバーを演奏する。第2部は吹奏楽部としてこれまで取り組んできた集大成を披露する。特別出演で同校合唱部もステージに登場する。

 入場無料。当日は会場で東日本大震災の被災地支援の募金活動も行われる。問い合わせは羽黒高校の本田教諭、または内田教諭=電0235(62)2105=へ。

コンサートに向けて練習の総仕上げ中の吹奏楽部メンバー。後ろが「創造の館」
コンサートに向けて練習の総仕上げ中の吹奏楽部メンバー。後ろが「創造の館」



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