2012年(平成24年) 3月14日(水)付紙面より
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酒田市在住の有志で組織する「酒田方言かるた研究会」(齋藤健太郎代表)が昨年、製作・販売した「酒田方言いろはかるた」を大型化したものを使ったかるた大会が12日、同市の亀ケ崎保育園(土井タカ子園長)で開かれ、年長児が男女に分かれて熱戦を繰り広げた。
同研究会は、酒田弁を楽しめるものを作ろうと、まちづくりに携わる市内の有志たちが2010年11月に設立。読み札の文章を広く市民から募集したところ、小学生から高齢者まで市民約100人から計300点ほどの応募があった。これを基に研究会で検討、絵札の図柄に獅子頭や酒田大仏、傘福、黒森歌舞伎といった酒田の風物・特産を用いるなどし、郷土色豊かなかるたに仕上げた。
昨年10月の「酒田どんしゃんまつり」に合わせて市内の書店などで販売を開始したところ、すでに2000部を完売する人気ぶり。「購入者の反応は良好で、懐かしいと言ってくれる。遠く離れた息子・娘に贈るためという人が数多くいたほか、首都圏在住の酒田出身者は『酒田の土産に』と購入してくれた」(齋藤代表)という。
子供たちが楽しみやすいようにと、同研究会が通常サイズの6倍の大型かるたを亀ケ崎保育園にプレゼント。これを使って年長児23人が男女に分かれて対戦した。
保育士が「てしょ もてこい さしみのしょうゆ いれっさげ(小皿持ってきて。刺し身のしょうゆを入れるから)」「のだばて ゆっくり していげの(横になって、ゆっくりしていって)」「ぶりこ えっぺくたば あごたりの(ブリコをいっぱい食べたら、あごが疲れたよ)」などと読み上げるたびに、園児らは次々と手を伸ばしていた。小松花音ちゃん(6)は「方言はとても難しいので、家ではあまり使わない。だけど、かるたは楽しかったよ」と話していた。大会終了後には、絵札を使って齋藤代表が酒田弁について解説した。
斎藤代表によると、今秋、酒田方言かるたの第2弾の販売が決定しており、4月から5月にかけ読み札の文章を再び募集するという。齋藤代表は「同じ酒田でも町により、言い方やアクセントが異なるものもある。このかるたが酒田の価値を再発見するきっかけになったらうれしい」と話している。かるたに関する問い合わせなどは、同研究会=電0234(22)4477=へ。
2012年(平成24年) 3月14日(水)付紙面より
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庄内町立谷沢の「月の沢温泉・北月山荘」へ、昨年6月に宿泊した宮城県南三陸町の女性たちから「心尽くしの料理のお返しに」と手作りの前掛けが届いた。女性らしいこまやかな心配りがされた作りになっており、同荘のスタッフは「温かい心が伝わってくる。とてもうれしい」と喜びの声を上げている。
昨年6月下旬、庄内町は東日本大震災の被害を受けた友好町の南三陸町から住民約40人を庄内地方に招くツアーを実施。2泊3日の行程で初日は鶴岡市の温泉地、2日目に庄内町の北月山荘に宿泊してもらった。北月山荘では主婦レストラン「やまぶどう」が食事を担当し、イワナの塩焼きや郷土料理でツアー客を歓待。同地区内でそば打ち体験なども行われた。
今年2月、ツアーに参加した星みよ子さんから北月山荘に電話があり、「何かお礼がしたい」とスタッフの人数を聞いてきた。今月7日に荷物が届き、中には手縫いの前掛けと手紙が入っていた。
手紙には「心温まるおもてなしに感謝の気持ちでいっぱい。皆さんがおいしい四季折々の料理を作っている姿を思いながら5人で縫った」と書かれ、南三陸町志津川地区からツアーに参加した隣組5人の女性の名前が添えられていた。
そろいの前掛けは13人分で丈は30センチほど。腰に巻き付ける型で、藍や黒の地にパッチワークキルトでポケットを兼ねた装飾がされている。装飾はウサギや鼓、花などの和柄で全て柄違い。また、ポケットに重いものを入れてもずり落ちないよう腰ひも通しがあるなど、女性らしいこまやかな気配りがされている。
レストランを運営する「やまぶどうの会」の高梨美代子会長は「手作りの温かみがあり、作ってくれた人の心が伝わってくる。本当にうれしい」と笑顔。レストラン仕掛け人の兼古哲也さん(65)は「伝統食、郷土食の力を示せたと思う。同じ年代の女性がおいしい料理を作っている姿を見て親近感が湧いたのでは」と話していた。
同レストランでは今後、スタッフが前掛けを着けて営業するという。