2012年(平成24年) 3月21日(水)付紙面より
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「『酒田こども歌舞伎』の会」(平山敦子会長)は19日、東日本大震災で被災した児童・生徒たちに役立ててもらおうと、酒田ユネスコ協会(五十嵐敬司会長)に義援金を寄託した。
同会は、酒田、鶴岡両市の小学1年生から6年生まで計17人で構成。酒田市出身の元歌舞伎役者で日本舞踊「千川流」(本部・同市亀ケ崎二丁目)2代目家元の千川貴楽さんから指導を受け、2008年度から年1回の発表会を通して日頃の成果を披露している。
義援金は、先月19日に酒田市の希望ホールで開催した発表会の際、出演した子供たちが来場者に募金の協力を呼び掛け集めたもの。
この日は酒田市教育委員会で贈呈式が行われ、同会のメンバーや保護者ら約20人が訪れた。児童代表が「大震災で困っている人たちのために役立ててください」と義援金10万3783円を酒田ユネスコ協会の中村護副会長に手渡した。これを受け、五十嵐会長は「皆さんが頑張って集めた義援金を頂き、今日は本当にありがとうございました」と謝辞を述べた。
義援金は日本ユネスコ協会を通して、東日本大震災で就学困難となった児童・生徒たちの奨学金に役立てられるという。
2012年(平成24年) 3月21日(水)付紙面より
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キンタ君、さようなら―。鶴岡市が鶴岡公園で飼育していた雄のニホンザル「キンタ君」が19日未明、公園内の猿舎で死んだ。満32歳、人間の年齢に例えると100歳に達するほどの「長寿」で、老衰という。市民から長くかわいがられていた猿でもあり、これまで飼育に携わった人たちを中心に27日午前11時から、猿舎前でお別れの会を行う。
同市によると、キンタ君は1979(昭和54)年6月生まれ。飼育していた市内の個人が86年5月に市に寄贈し、公園の猿舎で飼われてきた。猿舎では、先に飼育されていた雌のニホンザル「キー子」と2匹で元気に走り回り、同公園を遠足で訪れる園児や散策の市民を喜ばせ、「公園のサル」として親しまれた。
そのキー子は98年3月24日に30歳で死に、キンタ君は独りぼっちに。「独りとなったキンタは、さすがに寂しそうだった」と、当時を知る市の職員は話す。11歳年上のキー子との間に、赤ちゃんの誕生はなかった。
キンタ君は近年、老齢性白内障を患い、手探りしながら猿舎内を移動していたという。それでも市の委託を受けた飼育員が声を掛けると、体を前後左右に揺すりダンスをするようなしぐさで、うれしさを表現していた。ここ1、2カ月は体調が優れず、動かずにじっとしていることが多くなり、先週ごろには元気がなくなって好物だった焼き芋やバナナもあまり食べなくなり、飼育員たちを心配させていた。
市は、猿舎が建築後50年近く経過して老朽化していることもあり、猿の飼育を行わない方針で、「公園のサル」はキンタ君が最後。猿舎とそばにある鳥類を飼育する禽舎は今後、解体が予定されている。