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2012年(平成24年) 3月6日(火)付紙面より

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看護のプロへ歩み 荘内看護専門学校 男女20人 涙の巣立ち

 鶴岡市立荘内看護専門学校(校長・三科武市立荘内病院長)の卒業証書授与式が3日、荘内病院講堂で行われ、3年間の課程を修了した卒業生の男女20人が学びやを巣立ち「看護のプロ」の道に歩みを進めた。

 式には保護者や在校生、来賓など約140人が出席した。三科校長が卒業生一人一人に卒業証書を手渡し、「看護の勉強は今日で終わりでなく、これからがスタート。皆さんの笑顔を患者さんは待っている。常に優しい気持ちを持ち、志と不断の勉強を忘れず、患者さんの明るい希望のともし火となってほしい」と告辞を述べた。

 榎本政規市長は「看護師はチーム医療を支える要。志を高く持って研さんを積んでチーム医療の要となり、悩める人に寄り添って共に歩む看護師になってほしい」と激励。来賓祝辞、在校生送辞に続き、卒業生総代の井上京子さん(20)=鶴岡市=が「実習を通じて患者さんに接し、自分らしく生きようとする人間の強さに何度も心を打たれ、看護師としての責任の重さも強く感じた。3年間の道のりは容易ではなかったが、掛け替えのない仲間と出会えたことは一生の宝。知識と技術、心を兼ね備えた看護師になれるよう一歩一歩歩んでいきたい」と声を詰まらせながら答辞を述べ、他の卒業生たちもすすり泣きながら何度も白いハンカチで涙を拭っていた。

「蛍の光」斉唱で涙を拭う卒業生たち
「蛍の光」斉唱で涙を拭う卒業生たち


2012年(平成24年) 3月6日(火)付紙面より

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地元役者ファン魅了 黒森歌舞伎酒田公演

 酒田市黒森地区に江戸時代中期から伝わる農民芸能「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)の酒田公演が4日、同市の希望ホールで開かれた。本狂言「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)」などを、見事なせりふ回しで上演。見えを切るなど節目のシーンでは拍手が湧き、客席と舞台が一体となった公演を繰り広げた。

 黒森歌舞伎は、280年ほど前の享保年間(1716―35年)から続く伝統芸能。出し物の多様さやスケールの大きさは国内屈指とされ、例年2月15、17の両日、同地区の日枝神社境内で奉納上演されている。酒田公演は、地元の役者が演じる芸能をより多くの市民に楽しんでもらおうと、黒森歌舞伎保存会(平野宣会長)と市教育委員会が毎年3月に開催している。

 今年も黒森小の男子児童が、「白浪五人男」で知られる「青砥縞花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」から稲瀬川勢揃いの場を披露。「問われて名乗るもおこがましいが」「さてどんじり控えしは」などの名ぜりふを堂々とこなし、最後に見えを切ると大きな拍手が起こった。

 今年の本狂言「奥州安達原」は近松半二ら合作の時代狂言。「前九年の役」後の安倍貞任、宗任兄弟の反乱を題材に、親子、兄弟の別れなどが叙情的に描かれている。正月公演としては96年以来16年ぶり。この日は「文治住家(ぶんじすみか)の場」と「袖萩祭文(そではぎさいもん)の場」の二幕を上演した。

 役者たちは浄瑠璃に合わせて見事な「見え」や「六法」など歌舞伎独特の動きを披露。詰めかけた歌舞伎ファンを魅了していた。

 来年の演目を決める「太夫振舞(たゆうぶるまい)」は11日、黒森日枝神社で行われる。

安倍貞任(手前右)、宗任(同左)兄弟が八幡太郎義家に戦場で再び相まみえることを約する「袖萩祭文」のクライマックスシーン
安倍貞任(手前右)、宗任(同左)兄弟が八幡太郎義家に戦場で再び相まみえることを約する「袖萩祭文」のクライマックスシーン



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