2012年(平成24年) 3月9日(金)付紙面より
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鶴岡市の渡前小学校(長谷川良和校長)の2年生たちが7日、同市大半田の赤川にサケの稚魚約1万匹を放流した。
子供たちに魚や川に興味を持ってもらおうと、市農山漁村振興課と赤川鮭漁業生産組合の共同事業として2004年から毎年、小学生を対象にサケの放流体験学習を行っている。サケの稚魚は、赤川で捕獲した親魚から採取した卵を同組合で昨年12月にふ化させ、体長約5センチまで育てたもの。
この日の放流は2年生21人が参加。冷たい風が吹き付ける天候の中、はじめに児童たちは同組合のメンバーから「今日放流するサケは1日で河口まで下る。2週間ほど河口付近にとどまって海水に慣れてから海に出る。赤川に戻ってくるのは4年後になる」などとサケの生態や習性について説明を受けた。
続いて、稚魚をバケツに数十匹ずつ分けてもらい、川岸から「元気に戻ってきてね」「4年後にまた会おうね」などと声を掛け、静かに川に放していた。
2012年(平成24年) 3月9日(金)付紙面より
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忘れられつつある長沼小学校の応援歌を後世に残したい―。鶴岡市の長沼小同窓会「校友会」(板垣久喜会長)の有志たちが、戦前から歌われていたが、今では知る人が少なくなった同校の「応援歌」の“復活”に奔走している。5日には同市の長沼温泉ぽっぽの湯で、校友会メンバーによる応援歌の録音が行われた。同会は録音した歌を地元の人たちから聞いてもらって、メロディーや歌詞を確認し、懐かしい応援歌の完全復活を目指している。
同校によると、応援歌は校歌の代わりとして運動会などで戦前から歌われていたという。戦後の1948(昭和23)年に現在の校歌が制定されてからは歌われる機会が減り、今では応援歌を知る人も少なくなった。3年ほど前、校友会内から応援歌の復活を望む声が上がり、板垣会長たちが動き出した。
応援歌は2つあるが、楽譜や歌詞など歌に関する資料は残っていないという。そこで、1960年代に同校に赴任して、応援歌を子どもたちと一緒に歌った経験のある、同市砂田町の元教員、加藤龍介さん(75)に楽譜の作成を依頼。加藤さんが記憶をたどりながら作った楽譜に同会でピアノ伴奏をつけ、カセットテープに録音した。歌詞はメンバーの一人が記憶を頼りに書き起こした。2つの応援歌のうち1つは「研ききたえし長沼の」、もう1つは「長沼健児の意気みせよ」という歌詞が入る。
応援歌の録音に参加したのは、板垣会長ら同会のメンバー7人。全員で話し合って歌詞のすり合わせを行った後、カセットテープの伴奏に合わせて応援歌を歌い録音した。メンバーたちは「懐かしいのー」と話し、笑顔を見せながら歌っていた。
録音に参加した斎藤治一郎さん(66)は「応援歌を歌っていると昔を思い出す。将来的に地区の運動会や文化祭などのイベントで歌っていけたらうれしい」と話した。
同会では今後、楽譜と歌詞を地域の老人クラブなどに配布。応援歌を歌った経験のあるお年寄りたちから確認してもらうなどして、歌詞などに修正を加えながら夏までに応援歌の完全復活を目指す。