2013年(平成25年) 2月19日(火)付紙面より
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「中村ものづくり塾ロボットコンテスト」が16日、酒田市総合文化センターで開かれ、市内の児童・生徒たちが自分で製作したロボットを使った2種類の競技で熱戦を展開した。
クオーツ式腕時計を世界で初めて開発し、日本の精密機械工業の礎を築いた技術者で同市名誉市民の中村恒也さん(89)=長野県諏訪市=から贈られた寄付金5000万円で酒田市が2004年に「中村ものづくり基金」を創設。同塾は、市教育委員会が基金を活用した「中村ものづくり事業」の一環として05年から毎年開講しており、市内の小学5年生から中学2年生までが、ものづくりの楽しさを体験している。
ロボットコンテストは、塾で学んだ成果を発表する場で、この日は男女34人が参加。石川翼久教育長が中村さんの業績を紹介した上で、「世界中のいろいろな場面で競争があり、技術が優れている製品でも必ず売れるとは限らなくなった。しかし日本は、これからもいいものを気持ちを込めて作り続けることが必要。皆さんはその精神を受け継ぎ、大人になってもものづくりに取り組んでほしい」とあいさつした。
競技は、黒い線をセンサーで感じ取ってトレースしながら自力走行してタイムを競う「ライントレースカー」の部と、規定の時間内に3つのモーターを使ったショベルカーを無線リモコンで操り、自陣のゴールに入れたピンポン玉の数を争う「3モーターリモコンロボット」の部の2種類で実施した。基本の部品は同じだが、ショベルの形などは各自が工夫して製作。大きさや形などに個性が表れた。
トレースカーの競技では、スピードが速過ぎてコースを外れ台から落下したり、センサーの不調からその場でくるくると回り続けたりして、製作者が首をひねるシーンも。2回の合計タイムで最速を記録し優勝した冨田渓介君(11)=西荒瀬小5年=は「一生懸命作った。トップになれて、すごくうれしい」と笑顔で話していた。
コンテスト終了後、塾生全員に修了証が授与された。