2013年(平成25年) 2月22日(金)付紙面より
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今年10月公開予定の東映映画「おしん」の撮影が、20日から遊佐町比子の旧青山本邸(国指定重要文化財)で始まり、一部が報道陣に公開された。同施設は最初の奉公先「中川材木店」という設定で、おしん役の濱田ここねさん(8)ら役者、メガホンを取る鶴岡市出身の冨樫森監督はじめスタッフ総勢約70人が訪れ、厳しい天候の中、屋内外でシーンごとに撮影を進めている。
「おしん」は、脚本家の橋田壽賀子さんが原作・脚本を担当して1983―84年にNHK連続テレビ小説で放映。明治―昭和期に、山形の寒村に生まれたおしんが幾多の困難を乗り越え、スーパーの経営者となっていく人生を描いた。最高視聴率62・9%は日本のテレビドラマとしては歴代最高。世界86の国・地域で放映され、現在も大きな感動を与え続けている。
映画は、女優の小林綾子さんがおしんを演じた、いわゆる「少女編」を基に、脚本家・山田耕大さんが脚本を担当。女優の上戸彩さん、泉ピン子さん、小林さんらが脇を固め、日本の原風景が残る本県の厳しくも雄大な自然の中、数々の困難にぶつかりながらも家族を思い、ひたむきに生き、そして成長していく姿を描く。今月5日の製作発表会見を経て、同15日に鶴岡市の庄内映画村でクランクインした。
20日は午前中から午後にかけて旧青山本邸内で撮影。午後3時半ごろから屋外にある井戸で、おしんが水をくむシーンが撮られた。気温が上がらない上、海よりの寒風が吹き付ける中、かすりの着物にわらじ姿のここねさんは顔や手を真っ赤にしてつるべを引き上げていた。
同映画の古賀俊輔プロデューサーは「映画は連ドラの再現ではないが、原作でキーワードになったものは出てくる。撮影はおしんの成長とここねさんの成長を重なり合わせ、台本通りに進めている」と話し、ここねさんに関しては「前向きで明るい。方言もせりふとしてきちんと入っている」と評価した。
撮影は3月末まで、庄内地域を中心に全て県内で行われる。