2013年(平成25年) 5月14日(火)付紙面より
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東日本大震災の被災地支援に向け、酒田市麓の「鳥海やわた観光」(和田邦雄社長)は12日、同社が運営する同市草津の鳥海山荘西側の畑にヒマワリの種約4万粒をまいた。花をつける7月下旬にはイヌワシをかたどった巨大な「ヒマワリ迷路」がお目見えするほか、採取した種を大震災で被災した福島県南相馬市にある福祉作業所に送り、活用してもらうことにしている。
被災地支援の一つとして同社は、南相馬市や楢葉町の8つの福祉作業所による共同体「南相馬ファクトリー」が製作・販売している缶バッジを購入し、鳥海山荘、八森温泉ゆりんこ、産直たわわなどで販売している。和田社長によると、これまでに1600個余りが売れたという。
この缶バッジにはヒマワリの種が2粒ずつ添えられており、同社はこの種を集めて花を咲かせ、「ヒマワリ迷路」づくりを企画。缶バッジ購入者に呼び掛けたところ、900粒ほどが集まり、同社はさらに5万5000粒ほどを購入。今月5日にはこのうち1万5000粒を使って同市市条の同社ヨーグルト工場敷地内に「アンパンマン」の顔をモチーフにした迷路になるよう、地域住民ら約50人と協力してまいた。
12日は、あいにくの濃霧にもかかわらず地域住民や社員ら約70人が参加。鳥海山荘西側に広がる約30アールの畑に、花を咲かせた時に向き合って飛ぶイヌワシのつがいに見えるよう、4万粒の種を一粒一粒丁寧にまいていった。お母さん、弟と一緒に参加した相蘇竜樹君(八幡小4年)は「種をまくのは大変。早くヒマワリが咲くのを見たい。被災地の人たちからは一日でも早く普通の生活を取り戻してもらいたい」と話していた。
和田社長によると、採取した種は南相馬ファクトリーに送付、作業所利用者が搾油し、食用油などとして販売するという。和田社長は「迷路ではなく、福島につながる明るい道という意味で『明路(めいろ)』と呼ぶことにしている。八幡地域と交流を続けている沖縄県東村の児童たちも缶バッジを購入してくれた。運営する各施設にも今後、種をまきたい」と話していた。