2013年(平成25年) 5月15日(水)付紙面より
ツイート
鶴岡市の西郷小学校(鷲田啓一校長)の6年生が14日、学区内の東茨新田地区で、ほ場の用水路などに生息するメダカなどの生物を捕まえて保全池に放す「生き物引っ越し作業」に取り組んだ。
西郷北部地域(鶴岡市西沼、長崎、茨新田)の水田地帯は農道が狭く、排水用の暗渠(あんきょ)が整備されていないことなどから、県は2009年度から6カ年事業で約300ヘクタール区画を対象にほ場整備を進めている。
引っ越し作業は、工事区画の用水路などに生息する生物を保全池に移すもので、地元の子供たちに地域の自然環境に関心を持ってもらおうと、11年から実施。今年で区画整理工事が完了するため、今回が最後となった。
この日は同校6年生29人と県の担当者、西郷土地改良区、地元住民など合わせて約50人が参加。児童たちは2グループに分かれ、“捕獲作戦”を開始した。児童たちは網を使って用水路の中にいたドジョウやザリガニなどを捕獲。網の中に生き物が見つかるたびに「やったー。捕まえたぞ!」などと歓声を上げていた。
今回、捕獲されたのは、絶滅危惧種とされる「マルタニシ」や「メダカ」のほか、「ジュズカケハゼ」「マドジョウ」「トノサマガエル」「タイリクバラタナゴ」など計10種。いずれも長崎公民館西側にある保全池に放された。
作業に参加した田村賢志朗君(11)は「絶滅危惧種の生物も捕まえることができた。地元の自然環境のためにもなったと思うのでとても良かった」と話してい
た。