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2013年(平成25年) 5月17日(金)付紙面より

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両県境区間の事業化決定 新潟側、秋田側にそれぞれ1億円配分

 国の2013年度予算が15日夜に成立したのを受け、国土交通省は同日、直轄事業予算の配分(箇所付け)を公表した。同省の社会資本整備審議会道路分科会の事業評価部会が「新規事業着手は妥当」と判断していた日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の朝日まほろば(新潟県村上市)―あつみ温泉間40・8キロと、遊佐―象潟(秋田県にかほ市)間17・9キロの新潟、秋田両県境の未整備2区間について、それぞれ1億円の予算が配分され、正式に事業化が決定した。1987(昭和62)年、国の第4次全国総合開発計画に構想が盛り込まれてから26年を経て、日沿道の全線開通への歩みが大きく進んだ。

 事業化が決まった新潟県境の朝日まほろば―あつみ温泉は全体事業費約1900万円で、インターチェンジ(IC)は新潟側に「大須戸」「大須戸第2」「北中」「勝木」「府屋」、山形側に「鼠ケ関」の計6カ所(いずれも仮称)が設けられる。トンネルや橋など構造物の延長は約20キロと区間全体の約半分を占める。

 秋田県境の遊佐―象潟間は全体事業費約520億円で、ICは山形側に「吹浦」「女鹿」、秋田側に「小砂川」の計3カ所を設置する。両区間とも国道7号に沿う形となり、設計速度は時速80キロ、2車線で整備される。

 両区間に配分された1億円ずつの予算の内訳は、新潟県境区間が山形側2000万円、新潟側8000万円、秋田県境区間は山形、秋田側各5000万円。国交省によると、本年度は両区間で路線の用地測量や地質調査を行う。今後は、道路や構造物の設計、路線の中心杭(くい)や幅杭の打設、地元との設計協議などを進め、用地買収、工事着手と進む。着工時期、完成時期を含め来年度以降の事業スケジュールは定まっていない。

 新潟市―青森市を結ぶ日沿道は総延長約320キロの高規格道路。庄内地域を挟む両県境区間の事業化決定で、日沿道全線の未事業化区間は秋田県北部の二ツ井白神―あきた北空港間の一部区間を残すのみとなった。

 両県境区間の事業化正式決定を受け、16日に記者会見した吉村美栄子知事は「細切れだった日沿道の本県区間の新規事業着手が決まり、これで全区間開通のめどが立った。画期的なことだ。運動を続けてこられた地元経済界や住民の皆さまに感謝したい。今後は早期の開通に向け整備が確実に進むよう、各方面と連携し取り組んでいきたい」と述べた。

 日沿道等建設促進庄内地区期成同盟会会長の榎本政規鶴岡市長は16日、荘内日報の取材に「関係者の皆さんのこれまでの力添えに感謝したい。日沿道は防災、医療、観光など広域的に多方面にわたって重要な社会基盤であり、これまで以上に沿線地域が連携を強め、一日も早い開通に向け運動を展開しなければならない」と語った。その上で「区間全体の整備完了を待たず、完成したIC間ごとに順次供用開始し整備効果を早めに発揮してもらいたい。両県境区間合わせ、庄内地域に2、3カ所のパーキングエリアなど休憩施設設置も今後要望したい」と話した。

 日本海沿岸東北自動車道等建設促進庄内地区期成同盟会(会長・榎本政規鶴岡市長)は16日から、日沿道両県境区間の事業化決定を祝う看板・懸垂幕の設置を始めた。19日までに県庄内総合支庁と鶴岡、酒田両市役所、三川、庄内、遊佐3町役場に掲示する。

 事業化を地域住民と共に祝うとともに、早期全線開通に向けた整備促進をアピールする狙い。16日は、「祝 日沿道両県境区間 事業化決定!」と記した懸垂幕が酒田市役所に、これに「庄内地域の悲願 早期全線開通を!」を加えた横看板が鶴岡市役所に掲げられた。

酒田市の懸垂幕
酒田市の懸垂幕



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