2013年(平成25年) 5月21日(火)付紙面より
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庄内三大祭りのトップを切って酒田まつりの本祭りが20日、酒田市の中心市街地で繰り広げられた。厚い雲に覆われたものの穏やかな天候に恵まれて格好の祭り日和となる中、メーンの山車行列には51団体、約3000人が参加。上、下両日枝神社神宿(とや)関係者を先頭に、日和と山王、桜と松の大獅子2対を中心にした獅子ファミリーが、趣向を凝らした山車やみこしとともに威勢よく練り歩き、戦時下や酒田大火後でも祭りを中止しなかった港町・酒田の住民が受け継ぐ心意気を示した。
酒田まつり(旧山王祭)は、上(浜田一丁目)と下(日吉町一丁目)の山王社(後に日枝神社)の例大祭。江戸時代初期の慶長14(1609)年に始まり、これまで一度も欠かすことなく続けてきたとされる。1976年10月に発生した酒田大火からの復興を祝い、市民を挙げた祭りにしようと復興宣言が行われた79年に酒田まつりに改称。今年で創始404年を迎えた。鶴岡市の「天神祭」(25日)、「大山犬まつり」(6月5日)とともに庄内三大祭りと称される。
20日は正午から、マリーン5清水屋前で恒例の「式台の儀」。市指定無形民俗文化財の「亀ケ崎獅子舞」が披露された後、町奉行に見立てた本間正巳市長と、羽織はかまに裃(かみしも)で正装し刀を帯びた上下の神宿組合代表が、祝言を交わした。
「酒田きやり保存会」(上林直樹会長)の祝い唄など続いて午後1時、酒田のシンボル・大獅子2対を中心にした山車行列が清水屋前を出発。酒田光陵高生制作の山鉾(ほこ)「光彩」や、傘福などをあしらって地元の幼稚園や小中学校、企業などが作った山車とみこしが繰り出し、本町通りから大通りを経由し寺町通りを回るコースを、2時間余りかけて練り歩いた。
沿道は行列の見物客で身動きできないほどの混雑。口の中に入れられ、かんだ真似をしてもらうと丈夫に育つといわれる大獅子がやってくると、幼児を抱いた母親らが相次いで駆け寄り、「バッコン」をお願いしていた。