2013年(平成25年) 5月24日(金)付紙面より
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東北芸術工科大の教員と学生が、鶴岡市の天神祭(本祭・25日)のパレード用に、特殊技術を使った動物や怪物などのかぶり物を制作した。大絵馬パレードで随行スタッフがかぶり、「化けもの祭り」の盛り上げを図る。
制作したのは、同大こども芸術教育研究センター長の花澤洋太准教授(46)=千葉県匝瑳市、造形作家で同大非常勤講師の作田弘治さん(44)=埼玉県草加市、鶴岡市出身で美術科総合美術コース3年の高力了生さん(20)ら学生約10人。天神祭の大絵馬パレードを盛り上げたいと、同パレード部会に関わっているNPO法人公益のふるさと創り鶴岡の阿部等事務局長が先月半ば、福助とお多福の大頭の2種の制作を依頼していた。
舞台芸術などで実績のある作田さんが持ち前の技術を生かし、ネコやフクロウ、ニワトリなどの動物、高力さんら学生が怪物など、それぞれ思い思いのかぶり物、合わせて10個を制作した。花澤さんや高力さんらの大型のものは骨組みに紙や粘土で成形したタイプ、作田さんのネコなどの小型のものは発泡スチロールの型に紙を張った後、割って型を取り出し、紙や粘土で成形したタイプ。
22日に鶴岡市山王町の同NPO事務所に納品に訪れた花澤さんは「素材に誘発されて想像力を膨らませたり、教育的にも良かった。今後は市民がワークショップで制作してもよいのでは」、作田さんは「鳥獣戯画のイメージで作った。美術は日常と懸け離れたものでなく、こういう形で技術が生かされるのはうれしい」、高力さんは「鶴岡生まれだが、パレードには関わったことがなかった。見学者が驚いてくれればうれしい」と話した。
阿部さんは「素晴らしい出来。天神祭は昔、さまざまな仮装があったらしく、その原点に触れるもの。市民の度肝を抜くのでは」と期待を語った。