2013年(平成25年) 9月18日(水)付紙面より
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来春の新規高卒者を対象にした就職採用試験が16日、全国一斉に解禁された。7月末現在の県内就職希望者の求人倍率は、県全体では0・97倍と近年にない高い水準となり、全般的に高校生の選択肢は拡大したものの、鶴岡地区の求人の伸びは県平均に比べ鈍く、今後の推移が注目される。
全国高等学校長協会と日本経済団体連合会などの協定に基づき、9月15日以前の採用試験を禁止している。連休明けで実質的に初日となった17日、鶴岡市本町一丁目の荘内銀行本店では、庄内地方の高卒予定者を対象にした1次面接と適性試験が行われ、4人が受験した。午前9時半からの面接に先立ち、高校生たちは女性行員から緊張した表情で説明を受けていた。
同行では一時期、高卒者の採用を取りやめていたが、2008年度から再開。本年度は18日に山形市で実施する試験と合わせ、10人程度の採用を予定。人事部の担当者は「近年では多い方。人材育成の体制と働きやすい環境を整備しており、高卒者にも長く勤め戦力になってほしい」と話した。
山形労働局の7月末現在のまとめによると、来春の新規高卒者のうち就職希望者は1・7%減の3039人。うち県内就職希望は1・9%減の2302人。これに対する県内求人は31・1%増の2240人で、求人倍率は0・97倍と高い水準になっている。
一方、同じ数字を庄内地方で見ると、酒田公共職業安定所管内は就職希望者が前年同期比0・2%減の442人。うち県内希望は2・1%増の238人。これに対する県内求人は36・4%増の382人で、求人倍率は1・61倍。
同職安では「求人は、緩やかながら景気回復の兆しがうかがえる。建設業が早いうちから動き、製造業も上向きとまではいかないが、新工場を立ち上げる企業などから2桁台の求人が出ている。全般的に、若い人材を育成しようという流れが出ている」とみる。
一方、鶴岡公共職業安定所管内は就職希望者が前年同期比7・3%減の549人。うち県内希望は6・6%減の367人。これに対する県内求人は23・7%増の266人で、求人倍率は0・72倍。
同職安では「大きな求人があまり出ていないこともあり、他地域に比べると低迷しているように見えるが、前年比では伸びている。一般求人も伸びており、引き続き声を掛け求人を開拓していく」としている。