2013年(平成25年) 10月18日(金)付紙面より
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鶴岡市の城南幼稚園(須田正明園長、園児102人)の年長児34人が、27日に市中央公民館で開かれる日本九重流鶴城清吟会(佐藤力洲会長)の吟詠大会に出演し、「うさぎとかめ」の吟詠を披露する。4年目を迎える取り組みで、15日は同会相談役の佐藤剛洲(本名・隆保)さん(84)=末広町=の指導を受けた。
伝統文化を受け継ぐきっかけにしていこうと、2010年から同会の協力でスタート。同園によると、最初は園側も手探り状態だったものの、年長児が吟詠する姿を見ていた年下の子どもたちが自分たちの番になって詩吟に抵抗なく取り組め、孫親参観で披露すると喜ばれているという。
今年は、財団法人・日本吟剣詩舞振興会が発行している幼少向けテキストから「うさぎとかめ」を選び、先月から練習を始めた。2回目の練習となった15日は、佐藤さんと同会総務部長の松本歓洲さんが同園を訪れ、発声・発音練習から始めた。母音の発音では、「い」は耳たぶに響かせるように、「え」は頬に響かせるようにと佐藤さんがポイントを説明。「亀さん、亀さん、汝(なんじ)なんぞ遅き。うさぎはすでにここにありと笑って差し招く―」と続く歌詞を大きな声で吟じた。
子どもたちは漢詩を書き下した難しい言い回しの歌詞を詩吟独特の抑揚をつけて見事に吟詠。ステージでのお辞儀の仕方などを繰り返し、練習が終わると「体が熱くなってきた」とおなかから声を出す詩吟の効果を感じ取っていた。
22日に同園ホールで最終リハーサルを行う。吟詠大会は午後0時半開演、式典に続き午後1時20分から。城南幼稚園は2番目に出演する。
2013年(平成25年) 10月18日(金)付紙面より
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酒田市の南平田小学校(古川雅裕校長)の5年生55人が17日、稲の脱穀作業を体験した。5月下旬に自ら田植えを行った後、総合学習を利用して観察活動を続け、今月2日に刈り取りしたもの。児童は昔ながらの足踏み脱穀機を使って丁寧に作業した。
同校では1993年から毎年、外部講師の土田治夫さん(52)=酒田市飛鳥=のほ場10アールを借り受け、土田さんとJA庄内みどり青年部平田支部(後藤喜博支部長)の指導で、5年生が総合学習や社会科の時間を活用して稲作に挑戦。校内で開催している「収穫感謝祭」で、おにぎりなどにして味わっている。
今年も土田さん、支部員の指導で、5月下旬につや姫の苗を田植え。追肥などは土田さんが担当、児童たちはこれまで丈の伸び具合などを観察しながら大切に育ててきた。刈り取り作業の後はくい掛けして天日で乾燥させた。
同校で行われた脱穀作業では、昭和初期まで同市平田地域で使用していたという足踏み脱穀機3基を用意。土田さんから「回転方向に気を付けて」「足を動かしながら、同時に手も動かすこと」と教えてもらった後、児童たちは周囲をブルーシートで囲んで体験。中には回転速度を上げ過ぎ、稲わらごと飛ばされる児童たちもおり、「稲はしっかり持って」などと指導を受けていた。
土田秀人君(11)は「踏むのが大変だった。田植え、稲刈り、脱穀と体験して膝が痛くなった。昔の人の大変さ、つらさがよく分かった」と話していた。