2013年(平成25年) 6月29日(土)付紙面より
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文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール」(SSH)に指定されている鶴岡南高校(柴田曜子校長)で27日、各分野で活躍する社会人を講師として招いた「社会人講話」が開かれ、同校1年生が将来の職業について学んだ。
同校はSSHとして、昨年度から2016年度までの5年間、▽新しいキャリア教育▽科学リテラシーの醸成と研究連携―など5本柱で事業を展開。学術機関などと連携を取りながら、科学技術の発展を担う人材の育成に取り組む。
社会人講話は、SSHで取り組む「アカデミックインターンシップ」の一環で、進路選択の一助にと実施。今年は医療や工学、報道、法律など約10分野で活躍する地元の社会人を招き、1年生約200人が仕事の内容や面白さを学んだ。
このうち、鶴岡市のバイオベンチャー企業「スパイバー」で研究開発部門のマネジャーを務める清水香里さん(28)の講座には約20人が参加。清水さんは、同社が世界で初めて人工クモ糸の量産化に向けた技術を確立したことや、クモ糸が自動車や航空機の部品、医療機器などさまざまな分野に使えることなどを紹介。また、「鶴岡の大自然の中で研究できるのはとてもぜいたくなこと」と語り、生徒たちは熱心に聞き入っていた。今年10月には、1年生が地元企業で職場体験を行うという。
2013年(平成25年) 6月29日(土)付紙面より
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龍神信仰で全国各地から信仰を集める鶴岡市下川の善寳寺(五十嵐卓三住職)の歴史的・文化的建造物を維持していこうという、「龍澤山善寳寺奉賛会」の第1回発起人会が27日、同寺で開かれた。来年3月の奉賛会設立に向け、環境整備事業の具体的な内容を詰めていく。
善寳寺は約6万坪(約20ヘクタール)の境内に総門や山門、五百羅漢堂、五重塔を中心に20を超える堂塔・伽藍(がらん)が建立され、主要な堂塔は江戸中期から明治初期に建てられている。歴史、文化的にも価値の高いこうした建造物を維持するとともに、併せて境内の環境整備も進めることを目的に「奉賛会」の設立を目指す。発起人会は善寳寺最高顧問の新田嘉一平田牧場会長、酒井忠久致道博物館長、富塚陽一前鶴岡市長をはじめ県内の寺院関係、善寳寺の檀家らで組織。初会合には約30人が出席した。
五十嵐住職は趣旨説明で、同寺の前住職・故斉藤信義氏と新田氏とが同寺の再興について話し合ったことがきっかけとなり、新田氏から奉賛会設立の考えが示された経緯を話し、近世・近代の建造物の文化・歴史景観の認定、五百羅漢の修復、駐車場を活用した憩いの空間の再整備といった構想を説明。「地元をはじめ全国の信者の理解と協力で、善寳寺を盛り立てていきたい」と述べた。
最高顧問の新田氏は「北前船や日本の漁業の発展を支えた人々の信仰で発展した善寳寺は、庄内の宝であり誇りだ。将来にわたって継承していくため、皆さんの協力をお願いしたい」と奉賛会への賛同を呼び掛けた。
今後、専門家の調査を受けるなどして同寺側で環境整備の検討を進め、秋ごろに予定する次回の発起人会で具体的な内容を示す。五十嵐住職は「多くの皆さんに善寳寺の将来に向けての気持ちを伝えていければと思う。奉賛会の設立は来年3月27日の龍神さまの日に合わせて設立できれば」と話した。