2013年(平成25年) 8月22日(木)付紙面より
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庄内地方の小学校16校で21日、2学期の始業式が行われた。また、2学期制を実施している3校でも同日から授業を再開、約1カ月ぶりに児童たちの元気な声が校舎内に響いた。
酒田市の亀城小学校(岡部敦雄校長、児童395人)では午前8時15分から体育館で始業式。校歌を斉唱した後、児童を代表して山口菜帆さん(1年)、尾崎杏華さん(3年)、高橋勇輔君(5年)の3人がそれぞれ、「計算がスラスラできるようになりたい」「予習・復習を頑張る」「苦手な国語を苦手ではなくする」と2学期の目標を発表した。
岡部校長が「暑かった夏を乗り切り、思い出をいっぱいつくってみんなが始業式に出席したことをうれしく思う。2学期は心と頭、体を実らせる時期。特に心を鍛えてほしい」と述べた上で、▽あいさつをきちんとする▽思いやりの心を持つ―の2点を呼び掛けた。
その後、各教室に戻ってホームルーム。このうち1年生の教室では、担任教諭の「夏休みの宿題、頑張ってきましたか?」という問いに、児童たちは「はい」と元気に返答。貯金箱や迷路ゲーム、人形といった工作、自作の絵本などを先生に提出していた。
庄内教育事務所によると、3学期制を実施する小学校では今月27日までに全ての学校で2学期が始まる。
2013年(平成25年) 8月22日(木)付紙面より
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松山能(県指定無形民俗文化財)が20日夜、酒田市松山地域の皇大神社境内の能楽堂で奉納上演された。涼風が吹く中、能「高砂」などが演じられ、詰め掛けた観客を幽玄の世界にいざなった。
松山能は約350年前の寛文年間に、江戸勤番の松山藩士が習得。明治維新後は地元の演能団体「松諷社(しょうふうしゃ)」(榎本和介会長)に受け継がれ続いている。松山藩創立期の祈願所だった皇大神社の例祭に合わせた上演は「月の能」とも称され、明治時代から続いている。「花の能」として6月に開催される「羽州庄内薪能」、1月末に「雪の能」として開かれる「まつやま大寒能」とともに3定期公演の一つ。
「高砂」は神をシテ(主人公)にした初番目物の名作で、作者は世阿弥。播磨国(現兵庫県)高砂と摂津国(現大阪府など)住吉の松は相生の松で、その松の精の謡によって夫婦愛と長寿(相老)、天下太平をことほぐめでたい能。後半冒頭でワキ(シテの相手方)の神官たちが謡う「高砂や、この浦舟に帆を上げて…」は、夫婦の理想を示すものとして結婚披露宴でよく謡われてきた。
同夜は、地元・松山小学校の狂言クラブによる子供狂言「六地蔵」、松諷社による狂言「柿山伏」に続き「高砂」を上演した。最後に、住吉に着いた神官の前に若い神「住吉明神」が姿を現し、月下で民の長寿を願い平安な世をことほぎ、神々しくさっそうと舞う場面がクライマックス。雲間から時折、満月間近の月が顔をのぞかせる絶好のロケーションの下で演じられ、能楽堂前に陣取った多くの観客やアマチュアカメラマンらを魅了していた。