2013年(平成25年) 8月23日(金)付紙面より
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鶴岡市清水地区に伝わる伝統行事「モリ供養」が22日、同地区の三森山(みつもりやま、標高121メートル)で行われた。地区内外の人たちが花などの供物を持って山を登り、祖霊を感じながら手を合わせた。供養は23日も行われる。
モリ供養は、庄内地方独特の送り盆の風習。地元では死者の霊魂は近くの里山にとどまり、清まるにつれて徐々に高い山へ移り、最後は月山か鳥海山で神になるとされる。一説では1000年以上前から行われてきたといわれる。全国的にも珍しい風習で、2000年には国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選ばれた。
三森山の山頂近くには、優婆(うば)堂、閻魔(えんま)堂、大日堂、観音堂、地蔵堂、仲堂(勢至堂)、阿弥陀堂の計7つのお堂と、藤墓という石塔群があり、22日は早朝から大勢の参拝者が訪れた。
このうち仲堂では、参拝者たちが故人の戒名や命日を書いた仏札などを納め、祭壇「施餓鬼棚」に供物を供えた。天翁寺(下清水)の佐藤丈六住職らが施餓鬼棚に向かって読経、墓若勢(はかわかぜ)と呼ばれる男性2人が「花水手向けます」「茶糖水あげます」と声を発し、花に含ませた水と、蜂蜜を混ぜたお茶を石碑に掛けた。涼風がそよぐ中、参拝者たちは焼香し、静かに手を合わせていた。
帰り道には「餓鬼」と呼ばれる子どもたちが並び、「お願いします」と袋を差し出すと、参拝者たちはお布施のお金を入れていた。
20年ほど前から毎年供養に来ているという同市内の60代女性は「今年も無事登ることができた。先祖を供養すると気持ちが落ち着く」と話していた。
2013年(平成25年) 8月23日(金)付紙面より
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鶴岡市稲生一丁目のちとせ保育園(羽生充園長、園児65人)の園児たちが21日、同市由良海岸にクロダイの稚魚約500匹を放流した。園児たちは「元気でね」などと声を掛け、泳ぐ稚魚を見送った。
同保育園では、子どもたちに鶴岡でクロダイ釣りが盛んであることを知ってもらうとともに、食育の一環として10年ほど前から毎年、お盆を過ぎたこの時期に行っている。
この日はちとせ保育園年長児13人が引率の職員と共に由良海岸に集合。初めに羽生園長から「クロダイの稚魚は直接触るとやけどするので、触らないように。そっと放してあげてください」と説明を受けた。その後、同市三瀬の県栽培漁業センターで今年6月下旬にふ化したクロダイの稚魚約500匹をバケツで波打ち際まで運び、「バイバイ」「大きくなってね」と声を掛けながら放流した。
遠見絢太君(5)は「クロダイが大きくなったらお父さんと一緒に釣りたい」と笑顔を見せた。石栗結衣ちゃん(6)は「クロダイの稚魚は小さかった。大きくなってほしい」と話していた。
放流後、園児たちは海岸のごみ拾いも行った。