2013年(平成25年) 8月31日(土)付紙面より
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今月17日に鶴岡市で開かれた赤川花火大会の映像が、沖縄県読谷村にあるコミュニティFM局のインターネットの映像専門チャンネルで生中継され、話題を呼んだ。沖縄ファンの庄内の住民と同局スタッフたちとの交流がきっかけで中継が実現したもので、同局は「赤川花火に感動したという声が多く、沖縄県民の反響の大きさに驚いている。来年以降は沖縄からツアーが組めないか、地元の旅行業者にも働き掛けたい」と話している。
20年来毎年のように家族や仲間と沖縄旅行に出掛けている三川町猪子の会社員、上野歳一さん(54)がきっかけをつくった。沖縄を訪れるうち、本島中央部にあるFMよみたん(仲宗根朝治社長)のスタッフと交流が生まれた。
仲間たちが昨秋、同局の開局4周年に合わせて庄内産の「つや姫」や庄内柿など地元の特産品をリスナープレゼントとして提供したり、今春には上野さんがラジオ番組に出演して鶴岡の観光物産をPRするなど交流が深まり、上野さんを中心にFMよみたんファン倶楽部山形支部も結成された。
こうした交流をもとに、「鶴岡の人々のために何かお返ししたい」(仲宗根社長)と、映像配信専門チャンネルを持つ同局では初の県外取材となる今夏の赤川花火大会の中継企画がとんとん拍子で進み、大会実行委員会の了承も得て本番を迎えた。
大会当日、同局からは撮影担当の仲宗根社長をはじめパーソナリティーの女性2人の計3人が中継用機材を持って来鶴。大会関係者のインタビューを交えながら打ち上げ開始から終了までを中継した。仲宗根社長は「天を覆うような花火は初めて見た。感動で鳥肌が立ち、カメラを回すのを忘れるほどだった」と話した。
そうした感動は沖縄県民にも伝わり、読谷村長らからも「沖縄の花火と迫力が全然違う。映像だけでもすごい花火と分かる」との声が届いた。ラジオで事前告知を聞き、石垣島から鶴岡を訪れた県民もおり、出張で花火を見ることができなかった鶴岡の男性から中継へのお礼のメールも届いたという。
同局からファン倶楽部山形支部長を委嘱された上野さんは「わざわざ沖縄から中継のために来てくれるとは、当初は信じられなかった。沖縄県民だけでなくインターネットで全国に赤川花火のすごさをアピールできたのでは」と話し、仲宗根社長は「人と人とのつながりがきっかけとなって地方同士の新たな結び付きが生まれた。赤川花火に大名行列の荘内大祭、踊りのおぃやさ祭りを加えた鶴岡お祭りウィークを楽しむツアーを沖縄で企画できないか。そうした夢も膨らんでくる」と話している。
同局は花火大会当日の映像を9月上旬まで「FMよみたん」のホームページにアップする。
2013年(平成25年) 8月31日(土)付紙面より
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来年に本番を迎えるJRの山形デスティネーションキャンペーン(DC)のエクスカーション(視察旅行)が29、30の2日間、県内7コースで行われた。庄内地方では2コースに、首都圏を中心に全国の旅行業者ら計約50人が参加し、鶴岡市の羽黒山や致道博物館、酒田市の山居倉庫などを巡り、旅行商品づくりに向け見どころを確かめた。
DCは国内最大規模の観光キャンペーンで、山形DCは今年6―9月のプレ期間を経て、来年6―9月に本番を迎える。エクスカーションは28日に山形市で開かれた山形DC全国宣伝販売促進会議に合わせて行われ、庄内では29、30の1泊2日(参加17人)、29日の日帰り(同35人)の2コースが設定された。
このうち1泊2日コースの一行は29日、鶴岡市の注連寺(大網)、羽黒山、庄内映画村オープンセット、鶴岡公園内の藤沢周平記念館、致道博物館、農家レストラン菜ぁ(福田)などを巡った。致道博物館では酒井忠久館長が国宝の太刀「真光」「信房」2振り、国指定名勝庭園、重要美術品の大井戸茶碗(本間美術館蔵)などを紹介した。
JTB東北(仙台市)国内商品事業部の佐藤和則団体企画課長は「庄内は『深い』という印象。(羽黒山斎館で食べた)精進料理にしても、各所の文化にしても深くて、面白い。いろんな切り口のツアーができそう」、JTB中部(名古屋市)国内旅行課の西川秀起さんは「ある意味で重い。歴史などを知れば面白いが、説明がないとさっと通り過ぎ、満足度の低いツアーになる危険も。ボランティアガイドをうまく活用するなど工夫が必要」、交通旅行新聞社(東京都)「別冊旅の手帖」の五十嵐匡一編集長は「山形の観光は良いものが多く、今回も一つ一つが面白いと再認識。ただ、(二次交通などで)巡り方に悩む面もある」とそれぞれ話した。
一行は同市湯野浜の旅館に宿泊。30日は加茂水族館、酒田市の土門拳記念館、山居倉庫、相馬樓などを視察、戸沢村での最上川舟下りを体験した。