2014年(平成26年) 7月11日(金)付紙面より
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来春から実質的な共学化に向け男子生徒の受け入れを始める県立鶴岡北高(高橋克彦校長、生徒518人)が、田川地区を中心とした各中学校の生徒や保護者対象の説明会を重ねるなど男子生徒受け入れの準備を本格化させている。鶴北高は「これまでの女子教育をさらに充実させつつ、大学進学を目指す男子生徒を積極的に受け入れたい」とし、「現段階で一定程度の男子の志願者はいる」と話す中学校もある。
鶴北高は1897(明治30)年に鶴岡高等女学校として創設。戦後の新制高校で学則上は男女共学となったがこれまで男子の入学はなく、118年にわたり事実上女子校として歴史を刻んできた。少子化に伴う田川地区の県立8高校の再編整備の検討の中で、第三者委員会が同地区の普通科入学の男女比格差を是正するとして鶴北高の共学化を提言。これを受け県教委が2015年度からの実質的共学化を打ち出した。
鶴北高は高橋校長が中心となり今年4月以降、各中学校の校長や進路担当教師、生徒、保護者らを対象に学校説明会を開くなど男子生徒受け入れについて説明。男子の制服は多くの中学校で採用している黒の詰め襟の学生服とし、進学型単位制のカリキュラム、参加可能な部活動、男子用トイレや更衣室の新設などを説明している。女子の制服は変更なく、運動着は来年度から変わることも伝えている。1学年定員は13年度から160人(4学級)。
同校の四年制大進学者数は近年、国公立大が30人前後、私立大が100人前後と、進学率は70%程度となっている。同校は「単位制でさまざまな進路に合わせた多様な授業を選択でき、生徒を伸ばす実績に自信を持っている。大学進学を目指す男子から、より多く志願してもらいたい」と男子の受け入れに本腰を入れる。今月26日には同校で学校紹介や授業体験などのオープンスクールを開き、男子生徒や保護者から鶴北高の実情を知ってもらう。
田川地区の中学校の校長らは「大学進学を希望する男子生徒の受け入れ先が増えることになり、鶴北高の共学化は歓迎している」と話す。また、ある中学校の進路指導担当者は「現段階で男子の志願者は少なからずいる。管内の中学校全体では、ある程度まとまった数になるのでは。鶴北高志願を考えている生徒たちにはオープンスクールへの参加を呼び掛けている」と話している。