2014年(平成26年) 10月16日(木)付紙面より
ツイート
オワンクラゲから緑色蛍光タンパク質を発見した業績でノーベル化学賞を受賞した米ボストン大名誉教授の下村脩さん(86)が14日、鶴岡市を訪れた。初日は今年6月にリニューアルオープンした市立加茂水族館(村上龍男館長)を初めて見学し、「立派な世界一のクラゲ水族館だ」と同水族館の取り組みと努力をたたえた。
米国在住の下村さんは、2008年にノーベル賞を受賞。受賞直後から加茂水族館と交流を続け、10年4月には旧館を訪れ、一日館長を務めたことがあり、リニューアルオープンに合わせて名誉館長に就任。今回、名古屋市で開催される講演会への参加で在住先の米国から来日したのを機に2度目の来鶴となった。
この日は、市役所で名誉館長の辞令交付を受けた後、妻の明美さん(78)と共に水族館を訪問。地元加茂小の全校児童46人が「下村先生ようこそ」と呼び掛け、手作りの紙製メダルと歌のプレゼントで歓迎を受け、握手を求められ笑顔を見せた。
村上館長の案内で直径5メートルの巨大クラゲ水槽や研究・繁殖施設など見学し、「以前も立派だったが、もっともっと立派な水族館になった。非常によくできていて、私のやることなんかないが、世界一のクラゲ水族館の名誉館長にしていただき名誉に思う」と感想を語り、村上館長は「下村博士は、旧館時代に入館者の大幅増加につなげていただいた大恩人。新しい水族館を見てもらい、念願がかなった。今後とも世界一のクラゲ水族館として博士の期待に応えていきたい」と話した。