2014年(平成26年) 10月17日(金)付紙面より
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ノーベル化学賞受賞者で鶴岡市立加茂水族館名誉館長の下村脩博士(86)=米国在住=の講演会が15日、同市の鶴岡南高校の鶴翔同窓会館で行われ、生徒らを前に「難しいと思ったことを絶対諦めずにやり遂げて」とメッセージを送った。
名誉館長の辞令交付で来鶴したのに合わせ、鶴岡市が主催。鶴南高の1、2年生約400人と山添校の希望者、一般市民、関係者ら合わせて約500人が参加。下村博士は「緑色蛍光タンパク質発見とノーベル賞受賞へのみちのり」と題し、スライドを上映しながら少年期の生い立ちやノーベル賞の授賞式の様子なども含めて話した。
少年期については、祖母から「米粒を残してはいけない」「首あかがあると打ち首になった時に見苦しい」など厳しく育てられたと紹介。戦後に指導を受けた教授たちとの出会いを振り返りながら、クラゲの発色を調べるために家族で毎日バケツ50杯のクラゲを採取していたなどと話し、「緑色蛍光タンパク質(GFP)は働きの違う神経細胞を違った色で染めることができるなど、医療や生物学の研究で多用途に使われている」と話した。
生徒たちに向かっては「難しいことほどやり遂げると自分に自信ができる。そしてまた次の難しいことを確かめたくなる。絶対に諦めないで」と呼び掛けた。講演後には生徒たちの質問も受け、「GFPの色は何種類ぐらいあるのか」という問いに「ほとんど無限」と答えるなど交流した。