2014年(平成26年) 6月11日(水)付紙面より
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「時の記念日」の10日、鶴岡市睦町の常念寺(渡辺成就住職)を近くの常念寺保育園(佐藤律子園長、園児159人)の園児が訪れ、130年以上にわたり時を刻み続けている国内最古の塔時計を見学し、“時”の大切さを学んだ。
常念寺にある時計は1880(明治13)年に製作され、翌81年に旧西田川郡役所(現在は致道博物館敷地内)の時計塔に設置された。しかし、強風時には分銅が止まることが相次ぎ82年、時の梵(ぼん)鐘を突いていた常念寺に払い下げられた。塔時計としては国内最古で、現存するものとしては唯一。文字盤の直径は約1メートル。
この日はほぼ全園児が同寺を訪問。渡辺住職が「今年で134歳になる振り子時計。随分とおじいさんだが休まず動いている。皆さんも時を大切にして」と語り掛けた。子どもたちは「どうやって作ったの?」「どうして動くの?」などと質問しながら、自分たちで作ったカエルの形のベルト式の「腹時計」や腕時計などを披露。「とけいのうた」を元気に歌った子どもたちは、最後にゆっくりと振り子が動く大時計の内部を見学。年長組の梅津奏夢(かのん)ちゃん(5)は「(振り子が)揺れているのがすごかった」と大きな時計の仕組みに驚いていた。
2014年(平成26年) 6月11日(水)付紙面より
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6月14日に始まる山形デスティネーションキャンペーン(DC)に合わせ、鶴岡市下川の善寳寺(五十嵐卓三住職)で9日、五重塔と山門の夜間ライトアップの試験点灯が行われた。宵闇に築後100年を超える総ひのき造りの建造物が浮かび上がり、境内は厳かな雰囲気に包まれた。山形DCでは同市の国宝・羽黒山五重塔も昨年のプレDCに引き続き今年もライトアップされ、同市にある東西2つの五重塔のライトアップがそろい踏みする。
善寳寺は1200年以上の歴史を誇り、海を守護する龍神を祭る。東北各地や北海道、北陸などの漁業関係者をはじめ全国から多く参拝者が訪れ、鶴岡を代表する観光地ともなっている。
五重塔は「魚鱗一切」の大供養塔として1883(明治16)年に建立に着手し、93(同26)年に落成。高さ約38メートル、総ひのき造りの大塔。同じく総ひのき造りの山門は67(慶応3)年に再建された楼門で、ともに築後120年以上経過している。
五重塔と山門のライトアップは、昨年のプレDCで羽黒山五重塔のライトアップが好評だったこともあり、鶴岡にある2つの五重塔のライトアップでさらなる誘客を図ろうと、鶴岡市観光連盟と同寺が連携して実施。1000ワットの水銀灯を五重塔に3基、そばの山門に1基設置し、歴史的建造物が建ち並ぶ境内の伽藍(がらん)の一体感を演出する。
この日の試験点灯は午後7時に行われ、周辺の闇が濃くなるほどに五重塔と山門が浮かび上がり、神秘的な光景が広がった。孫2人を連れて散歩に訪れ、偶然試験点灯に居合わせた同市大山の伊藤伸一さん(63)は「荘厳な雰囲気が際立ち、いつもの五重塔とは違う感じがする。多くの人からライトアップを見てほしい」と話していた。
京都や奈良、鎌倉といった古都を除くと一つの自治体に築後100年を超える複数の五重塔があるのは珍しく、関係者は「歴史的建造物を生かしたライトアップで鶴岡に夜間の観光客を呼び込み、宿泊・滞在型観光につなげたい」と意気込んでいる。
善寳寺のライトアップは13日夜に点灯式を行い、山形DC期間中(9月13日まで)の毎日、日没から午後9時半まで点灯する。