2014年(平成26年) 7月6日(日)付紙面より
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鶴岡市油戸地区の「魚の森」で5日、下草刈り作業が行われ、庄内各地の漁業関係者や地区住民が、これまで植樹してきた木々の周りに茂った草を鎌などで丁寧に刈り取った。
魚の森は、海岸沿いに森を整備することで良好な漁場環境を支えようと、1197年度から3カ年、県のモデル事業の助成を受け、住民たちが油戸漁港南側の丘陵地約1・6ヘクタールにクロマツやカシワ、ケヤキなど10種約2700本を植樹。その後もボランティアで整備を続けている。
前年に続き県の「やまがた緑環境税」の交付事業であるとともに、「第38回全国育樹祭」(10月、金山町)の記念事業の一環として行われ、地元住民や県漁協女性部、加茂水産高の生徒、県、市職員など合わせて約100人が参加した。
この日は雲一つない快晴に恵まれ、青く輝く海や油戸集落が見える丘陵地で作業が行われた。参加者は人の背丈ほどにも伸びた雑草を刈り、潮風を受けて弱ったクロマツを伐採するなど汗を流した。今回初めて参加した県漁協女性部の50代女性は「大変な作業だが、家での仕事と変わらない。豊かな森と水の流れが海の環境をつくるので頑張って整備したい」と話していた。
市農山漁村振興課によると、潮風などの影響で樹種によって成長が遅かったり、枯れたりするものもあったが、防風柵を設置した効果もあってネムノキの活着が良いという。「ネムノキの後ろにクロマツを植樹するなど、今後も試行錯誤を続けたい」としている。
2014年(平成26年) 7月6日(日)付紙面より
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酒田市名誉市民で東北エプソンの相談役を務める中村恒也さん(長野県諏訪市)による寄付金を活用した「チャレンジものづくり塾」が5日、市総合文化センターで開講した。節目の10期生となる児童・生徒は来年1月までの約8カ月間、「ものづくり」を通して科学の楽しさを体感する。
クオーツ腕時計の開発に世界で初めて成功し、セイコーグループの礎を築いた中村さんの功績を顕彰しようと、市は中村さんから受けた寄付金5000万円を基に2004年8月、「中村ものづくり基金」を創設。基金を活用した「中村ものづくり事業」の一環として、市教育委員会は市内の小・中学生を対象にした「―ものづくり塾」を05年度から開講している。
10期生は市内に住む小学5年―中学2年の男女34人。本年度は、黒線を認知し自走する自動車型ロボット「ライントレースカー」を作るAコース、3つのモーターで作動するロボットを製作するBコースの2つの講座を用意した。
この日は合同で開講式に臨んだ後、コース別に分かれて早速講義。13人が受講したAコースでは、県立産業技術短期大学校庄内校制御技術科の工藤誠教授(ロボット工学)の指導で、最初の段階として車の模型製作を行った。
若浜小6年の菅原直也君(11)は「ものを作るのはとても楽しい。将来はこういう道に進み、人間と一緒に生活するロボットを作りたい」と夢を膨らませていた。
来年1月に予定している最終講義では、受講生は自ら製作した作品を使用して「ロボットコンテスト」に挑む。