2015年(平成27年) 2月20日(金)付紙面より
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城下町・鶴岡に春の訪れを告げる「雛(ひな)菓子」作りが、鶴岡市内の菓子店で始まっている。
同市内では、北前船で伝わった干菓子の雛菓子が独自に発達し、野菜や果物、縁起物のタイなどをかたどった生菓子の練り切りが伝わる。
同市の菓子製造「木村屋」(吉野隆一社長)では、今月16日から雛菓子作りが始まった。同社が手掛ける雛菓子は子どもの健やかな成長を願うタケノコや職人技が光る精巧なリンゴやミカン、デフォルメした姿がかわいらしいタイやサクラマスの切り身など全17種。
19日午前は、和菓子職人が型枠を使って手際良くタイやサクラマスの切り身をかたどったり、光沢を出すため寒天でコーティングしたサクランボやイチゴに柄を差すなどして仕上げていた。吉野社長は「見た目も楽しく、食べてもおいしい春を呼ぶお菓子。地元出身以外の県外からの注文も最近増えている」と話した。
同社では店頭販売と地方発送を含め約4000箱の出荷を予定。製造のピークは2月末から3月2日まで。旧暦用も3月13日ごろから随時作り始めるという。雛菓子は箱入りでタイやミカンなど6種が入ったもので1800円(税別)。