2015年(平成27年) 3月19日(木)付紙面より
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「春を告げる神楽」として知られる安丹神楽が17日、鶴岡市の安丹地区公民館で行われた。神事の巫女(みこ)舞や獅子舞、滑稽な踊りの余興「笑福」などが披露され、訪れた地元住民らを楽しませた。
安丹神楽は、江戸時代の安政6(1859)年に安丹地区でコレラが発生した際、村人たちがわらを持ち寄って獅子頭を作り神楽を舞ったところ、1人の死者も出なくなったという言い伝えを基にした伝統芸能。現在は同地区の安丹神楽会(佐藤惠一会長)が中心となり、地区の稲荷神社に神楽を奉納し、伝えている。
今年は平日の開催となったため、例年より観客は少なめ。約60人が見守る中、巫女舞や獅子舞、謡とともに刀を手にした4人の踊り手が舞う「剣の舞」が奉納された。続いて呼び物の笑福が始まり、ひょっとこの面をかぶった長兵衛が登場すると大きな歓声が起こった。
長兵衛が客席に入り込み、子供や女性にちょっかいを出すと周囲は大笑い。赤ちゃんと顔を突き合わせる光景を撮影しようとアマチュアカメラマンが盛んにシャッターを切っていた。その後、おかめの面をかぶった「あねさま」とともに、笛や太鼓の音に合わせて滑稽な舞を披露した。
祭りを見学した吉田凌玖君(8)=京田小2年=は「面白かったけど、長兵衛からチューされそうになって驚いた」と話していた。