2015年(平成27年) 3月25日(水)付紙面より
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ユネスコ創造都市ネットワーク食文化分野に国内で初めて登録された鶴岡市を代表して地元の料理人ら4人が、スペイン北東部のオンダリビア市で開かれた食文化の創造性を高める「第3回オンダリビア文化遺産フォーラム」(9―15日)へ招待され、現地の食材を使って「どんがら汁」などの郷土料理を提供し、好評を得た。帰国した4人が24日、榎本政規市長に「日本と鶴岡を同じくらいアピールできた」などと報告した。
オンダリビア市を訪れたのは、同市三瀬の旅館「坂本屋」主人の石塚亮さん(62)と次女の結さん(31)、同市三光町の料亭「大多喜亭」料理人の大瀧慎さん(32)、鶴岡食文化創造都市推進委員会委員でアドバイザーを務める三菱UFJリサーチ&コンサルティングの太下義之さん。
一行は7日に羽田を出発し、9日に現地入り。亮さんと大瀧さんが中高生の前でどんがら汁などをショー形式で披露したり、3回の晩さん会でスペインダイのお造りやスズキの揚げ物、サバの南蛮漬けなどを提供。結さんはお点前を披露、太下さんは円卓会議に出席し鶴岡の創造都市加盟の取り組みなどを発表。17日に帰国した。
この日は4人が鶴岡市役所を訪れ、榎本市長と懇談。亮さんは「非常に歓待を受けた。どんがら汁はタラはあったがどんがらがなかったので、アンコウの肝入りで提供した。通訳の方に子どもはすぐ飽きると言われたが最後まで見てくれ、晩さん会でも料理をほとんど食べてもらえた」、大瀧さんは「現地の方が自分たちの料理に誇りを持っているのを強く感じた。郷土料理の発展系を教えてもらうこともでき、これからの鶴岡の食文化を垣間見た気がする」とした。
また、太下さんは「昨年12月の鶴岡の食文化認定が世界的に評価されての招待。今年9月の美食学会へも非公式に参加要請を受けた。情報は世界に広まっており、逆に世界から鶴岡に観光客が来ると予想される。飲食業や産業の振興の展開につなげて」と話した。
榎本市長は「情報は待ったなしで世界に広がっている。行政も認識を変え、食に関わるイベントやフォーラムを世界に向けて発信していきたい」とした。
オンダリビアはフランス国境にある港町。串料理の「ピンチョス」が有名で、ユネスコの食文化都市加盟を目指している。