2015年(平成27年) 3月25日(水)付紙面より
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枯れかけている「ヒポクラテスの木」を何とか救いたい―。県立鶴岡高等養護学校(山下敦校長)の敷地内に植えられているスズカケノキが枯死しかけており、同校は「ギリシャから伝わった木の子孫で大変貴重な存在。このまま枯れるのを見ているのはつらい。専門的に見てもらえないか」と協力者を求めている。
スズカケノキは学名の「プラタナス」とも呼ばれる落葉広葉樹。ギリシャのコス島では医聖・ヒポクラテスがスズカケノキの下で弟子たちに医学の講義をしたと伝えられ、現在もスズカケノキは「ヒポクラテスの木」として大事にされている。
同校のスズカケノキは、1955年12月に篠田病院(山形市)の当時の病院長・篠田秀夫氏が欧州旅行で手に入れたスズカケノキの果実から育った株の子孫。66年に鶴岡市で開業医をしていた小花盛雄氏が株を譲り受け、同年5月に旧鶴岡盲学校へ寄贈した。当時は高さ1メートルほどの苗木で、敷地内北西の正面入り口付近に植樹された。77年には同校から分け木されたものが市立荘内病院へ植樹されている。
同校のスズカケノキは一時期3階の高さまで伸び、幹回りは2メートルほどまで成長して青々とした葉を広げていた。しかし近年は一部が伐採されたこともあって枯死が進んでいる状況。山下校長が就任した2012年ごろにはカミキリムシが木に卵を産むなど、かなり状態が悪くなっていたという。
山下校長は「スズカケノキの由来を調べ、貴重な存在ということを知った。校内に植えられている木を救うのは厳しいかもしれないが、次の世代の株を何とか保護したい」と話すとともに、「素人ではどうしたらいいか分からない。予算的なものもあるので、善意の協力を専門家の方から頂けないか」と語った。
問い合わせは鶴岡高等養護学校=電0235(22)0581=へ。