2015年(平成27年) 8月4日(火)付紙面より
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子供たちから科学の楽しさに触れてもらう、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ(HMT、鶴岡市、菅野隆二社長)主催の「こども科学実験教室」が1日、鶴岡市の出羽庄内国際村で開かれ、毛細管現象を用いた色層分離(クロマトグラフィー)で分析の基本を体験的に学んだ。
同社は、同市にある慶應義塾大先端生命科学研究所発のバイオベンチャーで、2003年7月に設立。世界最先端のメタボローム解析技術をもとにメタボローム解析やバイオマーカー探索などの事業を展開。13年には東京証券取引所のマザーズへ上場した。実験教室は会社設立5周年記念で08年に初めて開催し、今回が7回目。
教室には鶴岡市内などから小学1年―中学1年の男女31人が参加。HMTの研究所に泥棒が侵入して大切な書類が盗まれ、犯人が残した黒いペンで書かれた脅迫状を基に、容疑者4人の黒いペンのインクを分析して、犯人を割り出す実験に挑戦した。短冊形に切った紙に4種類のペンで線を引き、コップの水に浸して毛細管現象によってにじんでくる色の違いを観察。脅迫状の紙を同様に分析し犯人を突き止めた。
子供たちはペンの種類によって黒い線のにじみが紫や黄色、灰色などさまざまな色に変化する様子を、目を輝かせながらじっくりと観察し、科学分析の一端に触れた。友達と参加した櫛引西小5年の寒河江慈羽(じゅう)君(10)は「実験はとても楽しい。うまく犯人を見つけたい」と話し、分析作業に熱中していた。
2015年(平成27年) 8月4日(火)付紙面より
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鶴岡市大山の上池でハスの花が見頃を迎えている。池を埋め尽くすようなハスは、例年よりも10日ほど早く花が咲き始め、8月下旬ごろまで楽しめるという。ハスが順調に生育する一方で、「大山上池・下池浮草組合」の門崎一郎会長(75)=同市大山=は、「今年は渇水。お盆を前に行う刈り取り作業で、舟を出せるか心配」と不安げな表情を見せる。
上池は約15ヘクタールの農業用ため池。大山地区にある下池(25ヘクタール)とともに約400年前にかんがい用ため池として造成されたと伝わる。2008年に国指定鳥獣保護区に指定。10年には水鳥などの生息地として国際的に重要な湿地を保全する「ラムサール条約」にも登録された。ハスの群生地として知られ、最盛期の8月は多くの人が訪れている。
上池では、お盆を前に毎年8月10、11日ごろ、同組合の役員が小舟(長さ約4・5メートル)に乗って池に繰り出し、鎌を使って刈り頃の花や葉を収穫。大山地区の花屋などにお供え用として200―300本ほど卸しているという。31日午前中はハスの写真を撮ったりスケッチを楽しむ人の姿が見られた。市内から夫婦で訪れた50代の女性は「昨年はタイミングを逃したが、今年は見ることができて良かった」と話していた。
一方、門崎会長は「舟が出せないほど水が少ないなんて、これまでなかった」と話している。庄内赤川土地改良区によると7月中旬の調査で水位は一番低い所で約1・6メートル。例年に比べて20―30センチほど水位が低いという。上池に排水設備はあるが取水設備はないため、門崎会長は「水位を上げるには天候に任せるしかない。10、11日までに雨が降らないとお手上げだ」と話している。