2015年(平成27年) 1月27日(火)付紙面より
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酒田市新屋敷にこのほど完成した松山城址館で24日、「まつやま大寒能」が開かれ、地域に伝わる伝統芸能「松山能」(県指定無形民俗文化財)が初めて本格的に同館で上演され、地元内外の能楽ファンを楽しませた。
松山能は江戸時代前期の寛文年間(1661―73年)、江戸勤番の松山藩士が観世流の能楽を習ったのが始まりとされ、明治以降は地域住民による演能団体「松諷社」(榎本和介会長)が引き継いでいる。大寒の演能は、明治期まで總光寺で行っていたが、その後途絶。1991年に県内外の能楽ファンによる松山能振興会(今田武会長)が「まつやま大寒能」として復活させた。
24回目の今年は、市が約2億3000万円を掛けて建設し今月21日に竣工(しゅんこう)式を終えたばかりの松山城址館で、開館記念と銘打って開催。松諷社が能「吉野天人」と半能「小鍛冶」、幕あいに松山小児童らの「松山子ども狂言の会」が「六地蔵」をそれぞれ演じた。
会場は屋内に銅板ぶきの屋根を備えた本格的なひのき舞台。「吉野天人」で天女姿の後ジテが桜の花に戯れながら舞うと、会場を埋めた観客は引き込まれるように見入った。また、松山小児童たちの堂々とした狂言の舞台には、大きな笑いと拍手が湧き起こっていた。
演能に前後し、恒例の呈茶と交流会「雪見の宴」も行われ、風流を楽しみながら役者らと交流した。
2015年(平成27年) 1月27日(火)付紙面より
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鶴岡市由良の「由良寒鱈(かんだら)まつり2015」が25日、市由良コミュニティセンターで開かれ、地物を使った濃厚な味わいの「どんがら汁」を味わった。
地域活性化などに取り組んでいる地元組織などによる実行委員会(佐藤正直代表)が主催し、毎年この時期に開催。マダラは地物にこだわって入手するため、「例年赤字を覚悟」(佐藤代表)というイベント。今年も、地物のマダラ約380キロを確保、具はタラと岩ノリだけというシンプルで豪快な寒鱈汁約700食を提供した。
午前11時の販売開始を前に屋外まで約500人が並ぶ長蛇の列。最前列の市内の男性は午前8時すぎから並んだという。10分早めて販売を開始し、訪れた人たちは大漁旗が飾られ、窓からは海が見える明るいホール内で熱々を味わった。
寒鱈汁が大好きで前日の酒田のイベントに続いて家族3人で訪れたという酒田市の団体職員、那須憲幸さん(40)は「漁師風というか、身の切り方も白子も大きく、味もこくがあって豪快さではここが一番」と満足そうに話していた。
会場ではエゴや岩ノリ、イカの塩辛などの加工品も販売。生のマダラの販売はしけが続いたため中止。