2015年(平成27年) 1月30日(金)付紙面より
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鶴岡市由良の「海洋つり堀」が29日、今季の営業を開始した。今回、これまで海洋つり堀を運営していた市から、地元有志で立ち上げた「一般社団法人海の駅ゆら」(佐藤義男理事長)に経営が移行され再スタート。初日は120人余りの家族連れが繰り出し、ギンザケやカレイ、テンコなどを狙って釣りざおを並べた。
海洋つり堀は1978年に市が開設。例年4―10月に営業しており、手軽に海釣りを体験できることから地元のほか内陸や県外からの団体客も多い。昨年度までの延べ入場者数は約62万人。今回、市の行財政改革の一環で民間へ施設の無償貸与が決定。由良地区の漁業者や自治会関係者が「海の駅ゆら」を今年1月に立ち上げ、海洋つり堀の運営を引き継いだ。
オープン初日は開場前から大勢の家族連れが海洋つり堀前に行列をつくった。午前9時ごろからオープニングセレモニーが行われ、「海の駅ゆら」役員で由良自治会長の佐藤峯男さんが「季節ごとにさまざまな海の魚を放し、家族で楽しめるような由良の観光スポットとしたい」とあいさつした。
その後、来場者が堀に放されたカレイやヒラメ、ギンザケ、テンコなどを狙って次々と釣りざおを伸ばした。中には開始30分ほどで10匹余りを釣り上げる人もいた。祖父母と一緒に酒田市から来た高橋祐希人君(10)は「この釣り堀は初めて。ウマヅラを釣り上げたら引きが強くて驚いた。もっとたくさん釣りたい」と笑顔で話していた。
2015年(平成27年) 1月30日(金)付紙面より
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鶴岡市立朝暘第二小学校(瀬尾儀雄校長、児童420人)で29日、5年生を対象にした筝教室が開かれた。児童たちが実際に筝を爪はじき、日本伝統の音色に触れた。
古くから伝わる伝統楽器の筝は13本の弦を持ち、一般に琴と呼ばれることが多い。同校では実際に触れながら伝統楽器への理解を深めようと毎年この時期に教室を開いている。講師は毎回、筝の生田流師範で「松絃会」会主の松平美智賀(みちが)さん(79)=市内在住=と会員の女性たちが務めている。
今回は筝15面が用意され、5年生約70人が教室に参加。クラスごと3回に分かれ、松平さんの指導を受けた。このうち5年1組の24人は、松平さんたちの「六段」「さくらさくら」の演奏を聞いた後、実際に筝に触れた。縦書きの譜面の読み方や13本の弦の数え方など基本を教わり、「さくらさくら」の演奏に挑戦。児童たちはのみ込みが早く、あっという間に出だしを弾けるようになり、最後には音を合わせて演奏した。
筝を触ったのは初めてという高橋沙空さん(11)は「最初は難しいと思ったけど、先生から教えてもらい上手に弾けるようになった。とてもきれいな音色」、松平さんは「ほとんどの児童が初めての演奏だったが、みんな上手。これを機に筝を好きになってもらいたい」とそれぞれ話した。
2015年(平成27年) 1月30日(金)付紙面より
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酒田市の十坂小学校(安藤宏和校長)の6年生40人が29日、市役所の市議会本会議場で模擬議会を行い、架空の「とさか市クロマツ保全条例」の審議を通じて、議会や税金、まちづくりの仕組みなどを学んだ。
全校で取り組んでいるクロマツ保全活動や6年生の総合学習の一環で、2006年から市議会の協力で毎年実施している。
この日は6年生が「とさか市」の市長、総務、市民各部長などの当局側と、議員側に分かれ、議場の各席に着いた。案内役の田中斉市議の解説を聞きながら、条例案を審議した。
条例案は、クロマツを守るため、市民が下刈りなどのボランティアを行うとともに、市は市民のボランティアなどに必要な予算措置を講じるという内容。議員側から「ボランティアでなく、市の事業で行うべき」という指摘に対し、当局は「税収の伸び悩みで財源がない」と答弁。さらに「税を増やしては」「市民の負担が大きくなる」など白熱した論戦が展開された。
採決の結果、議員15人中、賛成は7人で、条例案は否決された。田中市議が担当して5年目だが、否決は初という。
議員役を務めた長谷川晴柊君(11)は「大人がやっている議会がどのように進められるかよく分かった。自分も将来、何かの形でまちづくりに関わっていきたい」と話した。