2015年(平成27年) 11月11日(水)付紙面より
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地元の河川で水揚げされるサケの消費拡大を図ろうと、遊佐町在住の庄内浜文化伝道師や管理栄養士ら11人が、サケのすり身、切り身を使った料理のレシピ集作りを進めている。ギョーザやグラタン、塩麹(こうじ)漬、ロールキャベツなど手軽にでき、子供から高齢者まで地元の恵みに親しめる内容。町で製造される農水産加工品を集めた「遊佐フードフェスタ2015」(来月6日、パレス舞鶴)での配布を目指す。
鳥海山に端を発す清らかな湧水があふれる同町の月光川水系では古くからサケの人工ふ化事業が盛ん。旧庄内藩が1800年代初頭、旧村上藩(現・新潟県村上市)に藩士を派遣、学んだことを生かして同水系で始めたのが起こりとされ、7つの支流で行われていたが、現在は滝淵川(枡川鮭漁業生産組合)、牛渡川(箕輪鮭漁業生産組合)、高瀬川(高瀬川鮭生産組合)の3つの河川に残る。
イクラは地元を含めて県内外で広く消費されている。身の部分は、桝川鮭漁業生産組合内「さけます増殖資源加工センター」で加工されるなど一部は販売されているものの、多くは輸出されているという。「地元の恵みを地元で」と昨年12月、庄内浜文化伝道師でNPO法人「食の玉手箱」を主宰する佐藤憲三さん(64)=同町遊佐=が思いを同じくする10人と共に、遊佐ブランド推進協議会(会長・時田博機町長)の助成を受け、サケの身を使った調理実習会を開催。ギョーザやグラタンなど計13品を試作した。
レシピ集はこのときに調理した料理を基に作成。ホイル包み焼き、塩麹漬、ソーセージ、コロッケなど切り身、すり身を使用した計10品を写真付きで掲載することにしている。先月25日に行われた「鮭(さけ)のつかみどり大会」の際、来場者に振る舞って好評を得た「遊佐食材よくばり『鮭のちゃんこ鍋』」も載せる。
佐藤さんによると、レシピ集は500部作成する予定。フードフェスタでは切り身、すり身の販売に合わせて配布するほか、ちゃんこ鍋を再度、無料で振る舞うという。佐藤さんは「レシピを提案しながら地元のサケの消費拡大を図っていけたら」と話していた。