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2015年(平成27年) 11月17日(火)付紙面より

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山里にほら貝の音響く

 出羽三山神社の「松の勧進」が15日、お膝元の鶴岡市羽黒町手向地区で始まった。山伏たちの吹き鳴らすほら貝の音が冷たい雨の降る山里に響き、初冬の訪れを告げた。

 松の勧進は、大みそかから元日にかけて羽黒山頂で行われる出羽三山神社最大の祭事「松例祭」の浄財を集める伝統の行事。100日間の修行を積み祭りで主役を務める山伏の松聖2人が、小聖の山伏を従えて家々を回り、無病息災や家内安全のお札を配る。

 今年の松聖は「位上」が太田一さん(60)=手向、山伏名・秀廣、「先途」が大川竹雄さん(62)=薬師沢、山伏名・深匠=の2人。9月24日から100日修行に入り、朝夕に勤行を行うなど精進潔斎に励んだ。現在は羽黒山中の斎館にこもり、後半50日間の修行を積んでいる。

 この日は朝から冷たい雨が降るあいにくの天候。午前8時半ごろ、小聖を従えた松聖が社務所を出発した。小聖たちが吹くほら貝の音が朝の宿坊街に響き渡る中、松聖たちは地区内の本社を、小聖たちは近くの商店や民家を回った。

 松の勧進は今月20日ごろまで羽黒と藤島地域の一部を巡る。来月1日から旧鶴岡市内などを回り、12月いっぱいかけて庄内全域を巡るという。

「松の勧進」が羽黒地域で始まり、宿坊街にほら貝の音が響いた
「松の勧進」が羽黒地域で始まり、宿坊街にほら貝の音が響いた



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