2015年(平成27年) 12月5日(土)付紙面より
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JR東日本は、2017年春にデビューさせる豪華寝台列車「TRAIN SUITE 四季島(トランスイートしきしま)」の運行ルート概要を発表した。3コースのうち、東日本と北海道を周遊する最長の3泊4日のコースが羽越本線を走り、鶴岡駅とあつみ温泉駅に停車する。同社は「停車駅を起点にした周辺観光を企画し、地域振興にも役立てたい」としている。
四季島はいずれのコースも上野駅発着。JR東日本は「こだわりの食や心のこもったおもてなしで『本物の上質感』を感じてもらい、この旅でしか味わえない特別感のある非日常的な体験を提供する」としている。
10両編成で定員34人。デラックススイート2部屋とスイート15部屋、展望やラウンジ、ダイニングの車両を備える。
春から秋(4―11月)に運行予定の3泊4日コースは、初日は日光に立ち寄った後に車内で宿泊、2日目は北海道内に入り、宿泊は登別周辺のホテルや旅館を利用する。3日目は途中で来年開業の北海道新幹線に乗車し、最終4日目は日本海側を南下して鶴岡、あつみ温泉両駅に停車する。ほかに春から秋に甲信越などを巡る1泊2日コースと、冬(12―3月)に2泊3日で主に東北の太平洋側をクルージングするコースを設けた。3コースで県内停車は鶴岡、あつみ温泉駅のみ。
3泊4日コースの料金は、1人60万円以上を想定。具体的な運行日程や料金などは来年3月に発表される。今後、東北地方の祭りや花見の名所を巡るコースなど期間限定の運行も検討する。
JR東日本の広報担当者は「鶴岡、あつみ温泉駅など停車駅での具体的な観光プランは、今後、地元と調整して決めていきたい」と話している。
鶴岡、あつみ温泉両駅には昨年と今年、寝台特急「カシオペア」の特別クルーズが立ち寄り、鶴岡市などが歓迎イベントを実施した。同市観光物産課は「四季島の乗客に鶴岡の食文化や観光資源などをPRし、情報発信力のアップにつなげたい」と期待している。