2015年(平成27年) 2月20日(金)付紙面より
ツイート
酒田市日吉町二丁目の海向寺(伊藤隆文住職)で18日、恒例の大護摩(ごま)祈願祭が行われた。1815(文化12)年に8代住職の鉄門海上人が始めた行事で、今年が200年の節目。境内を埋めた多くの参拝者が交通安全や身体堅固、商売繁盛などを祈願した。
海向寺は約1200年前に真言宗の開祖・弘法大師が開山したと伝えられている。真然上人が湯殿山大権現を勧請、忠海上人(中興初代住職)、鉄門海上人がそれぞれ再興して現在に至っている。
毎年2月18日に行われる祈願祭は、人々の暮らしが旧暦を基にしていたころには新年が始まる行事とされ、その年の豊作などを願って遠方から泊まりがけで来る人もいたという。
この日は市民ら約150人が参拝に訪れた。僧侶が個人名・地区名を読み上げながら護摩祈祷(きとう)・梵天加持をした後、総代、年男・年女らが「福は内」と唱えながら豆まき。集まった人は畳に散らばった豆を拾い集めていた。
祈祷に先立ち、伊藤住職が同寺の歴史について講話した。
2015年(平成27年) 2月20日(金)付紙面より
ツイート
城下町・鶴岡に春の訪れを告げる「雛(ひな)菓子」作りが、鶴岡市内の菓子店で始まっている。
同市内では、北前船で伝わった干菓子の雛菓子が独自に発達し、野菜や果物、縁起物のタイなどをかたどった生菓子の練り切りが伝わる。
同市の菓子製造「木村屋」(吉野隆一社長)では、今月16日から雛菓子作りが始まった。同社が手掛ける雛菓子は子どもの健やかな成長を願うタケノコや職人技が光る精巧なリンゴやミカン、デフォルメした姿がかわいらしいタイやサクラマスの切り身など全17種。
19日午前は、和菓子職人が型枠を使って手際良くタイやサクラマスの切り身をかたどったり、光沢を出すため寒天でコーティングしたサクランボやイチゴに柄を差すなどして仕上げていた。吉野社長は「見た目も楽しく、食べてもおいしい春を呼ぶお菓子。地元出身以外の県外からの注文も最近増えている」と話した。
同社では店頭販売と地方発送を含め約4000箱の出荷を予定。製造のピークは2月末から3月2日まで。旧暦用も3月13日ごろから随時作り始めるという。雛菓子は箱入りでタイやミカンなど6種が入ったもので1800円(税別)。