2016年(平成28年) 4月16日(土)付紙面より
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桜(ソメイヨシノ)が満開を迎えた遊佐町直世の中山河川公園で15日、町とNPO法人「遊佐鳥海観光協会」(庄司好正理事長)が主催した「桜まつり」の開幕イベントが行われた。あいにくの天候で鳥海山は姿を見せなかったが、行楽客は思い思いに園内の散策を楽しんだ。
月光川の支流・洗沢川沿いにある同公園内の桜は1959年、天皇、皇后両陛下のご成婚を祝福して当時の青年団「中山青年会」が植栽。現在は中山集落を挙げて管理しており、堤防沿いに約60本のソメイヨシノが並ぶ。間近に望む残雪を抱いた鳥海山、昔ながらの石垣の護岸などを背景にそびえる姿は見応えがあり近年、町内外から行楽客が訪れるようになった。
町と光協会は今月11日に開花を宣言し、ちょうど見頃。中山公民館で行われた開幕イベントで、庄司理事長は「地域の人たちが長年にわたり管理してきたことが素晴らしい」、時田博機町長は「国立科学博物館日本館で紹介されている稲作の動画は中山の桜でスタートする。故郷を思い、地区を挙げて管理し、桜の名所を築き上げてくれたことに感謝」とそれぞれあいさつ。町地域おこし協力隊の元隊員で農業、坪沼雪人さん、妻の陽子さんがバイオリン、キーボードの演奏を披露した。
小雨の中、参加者は堤防沿いを散策しながら桜を満喫していた。まつりは来月7日まで。期間中、日没から午後9時までぼんぼりを点灯し、夜桜を華やかに演出する。
2016年(平成28年) 4月16日(土)付紙面より
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鶴岡市泉町の風間家旧別邸「無量光苑 釈迦堂」(国登録有形文化財)の庭内に休憩スペース「釈迦堂ティーハウス」が15日オープンし、内覧会が行われた。設計者の高谷時彦さんが訪れた市民らに建物の特徴などを説明した。
釈迦堂を維持・管理する公益財団法人克念社(御橋廣眞理事長)が「庭を眺めながら休憩したい」という要望に応えて整備した。昨年7月から、物置として使っていた敷地内の従業員用住宅(昭和初期以前築)を取り壊し、その一部だった4畳半座敷のデザインを踏襲して茶室としても使えるようにした。
「釈迦堂ティーハウス」は木造一部鉄骨平屋建てで、延べ床面積65・62平方メートル。克念社が所有する山林のスギの木をふんだんに使用し、テーブルと椅子、自動販売機が置かれた茶房と座敷を回廊がつなぐデザイン。茶房、回廊の屋根は中門の屋根を延長した丸型の屋根で、回廊の床は釈迦堂に倣い伝統的な四半敷きになっている。座敷は雪見障子と回転雨戸を開くと採光・採風に優れた開放的な空間となり、視界を遮らず庭をじっくりと眺めることができる。
15日は午前9時半から1回目の内覧会が開かれ、同9時から行われた竣工(しゅんこう)式の出席者25人と一般合わせて約40人が参加した。高谷さんは「旧4畳半座敷からは壁の下貼りに使われていた古い帳簿や江戸時代の歌人の歌と思われるものが発見された。歴史的価値について鑑定を依頼している」と旧従業員用住宅での発見や、「回転雨戸を採用した座敷は現在の建築基準法を守りながら開放的な空間に仕上げた。また、それまでなかった水屋を設置し、竹くぎなどを用い本格的な茶の空間を目指した」などと建物について説明。「これから庄内地域には珍しい水琴窟を設置する」と庭の整備について話した。
友人と3人で訪れた市内の60代女性グループは「木の香りがして素晴らしい。ツツジが咲いたらもう一度来て庭を見ながらゆっくりと過ごしたい」と話していた。