2017年(平成29年) 6月23日(金)付紙面より
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県と酒田市がそれぞれ同市の十里塚海岸で計画している風力発電事業に関連し、市環境審議会(会長・佐藤顕酒田地区医師会十全堂副会長、委員16人)が21日、市総合文化センターで開かれた。県と市が県知事に提出した環境影響評価(アセス)準備書について意見交換し、委員からは「再生可能エネルギーを増やすのは賛成だが、あの場所でいいのか」など建設場所をめぐり慎重論が相次いだ。
県と市の準備書について、県知事から市に意見照会が来たことを踏まえ、市長が回答の参考にするための「意見交換の場」として先月31日に続いて開催。委員13人が出席した。
委員からは「2010年に民間が同種事業を計画した時、県知事は『風致景観に著しい影響を及ぼすため認められない』と判断した。今回は影響を過小評価しており、準備書は差し戻すべき」「再生可能エネルギーを増やすのは賛成だが、現場を見て、ここが適切か疑問に感じた。砂草地はいったん壊れたら、再生するのは難しい」「植生の最前線に風車を建てるのは、全国でも先例がない。専門家の意見をしっかり聞いてほしい」「渡り鳥は環境が変われば来なくなる。場所を再考すべき」など、特に建設場所について疑問や慎重な対応を求める意見が相次いだ。
そのほか、「渡り鳥の飛来地であり、モデル的な取り組みを」「風車を建てると、風景は一変する。変化が起きることは認識すべき」「他県に比べ本県の風車建設は少ない。他県ではどのようにクリアしてきたかを示してほしい」「再生可能エネルギーは必要で条件が許せば進めてほしいが、現場周辺は飛砂で苦しんできた歴史がある。もし影響が出たら止めるなど手厚い対応を」「新たなものを建設する時は多少の影響は避けて通れない。想定できる調査はし、丁寧な事業であり、進めてほしい」などの意見が出た。
市長は22日の市景観審議会の意見交換も踏まえ、今月末をめどに県知事に意見を提出する予定。