2017年(平成29年) 10月19日(木)付紙面より
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酒田市の庄内空港と飛島をヘリコプターで結ぼうという取り組みが進められている。今月8日にはヘリの試験運航が行われ、行政・観光関係者や招待された家族連れら計21人が搭乗。片道10分ほどという早さを生かした、同空港を拠点とする観光振興の可能性を探った。
昨年10月に庄内空港が開港25周年の節目を迎えたことを受けた記念事業の最終イベントとして庄内空港ビル(酒田市浜中、山下高明社長)が、県や市などの協力で企画。日本遺産に認定された「北前船寄港地・船主集落」、鳥海山・飛島ジオパークといった観光資源を巡る、主に外国人旅行客の誘客を想定し、二次交通アクセスの利便性について調査するのが狙い。
同社総務企画部の村岡一法副部長は「飛島だけでなく、県内にはヘリポートが多く点在する。過去には月山や鳥海山でもヘリを飛ばしていたこともあったという。早さを生かし、これまで逃していた日帰りや1泊2日の観光客、地質の調査などで訪れる研究者たちの活用を想定している」と話す。
試験運航は当初、今月7日に予定していたが、降雨が予想されたため翌8日に順延。同日は午前10時ごろを皮切りに計4往復8便を運航させた。直線距離では10分ほどで到着するが、酒田市内を旋回、上空からの眺めを堪能して計約15分のフライト。県内外から応募があった163人の中から選ばれた招待者4人ら搭乗者はその早さに驚きの声を上げていた。
村岡副部長は「試験運航でヘリの確保、ヘリポートの受け入れ態勢といった課題が浮き彫りになった。これからの展開次第だが、ヘリ運航を庄内地域の発展や魅力アップ、観光客の誘客増につなげたい」と話した。