2017年(平成29年) 12月19日(火)付紙面より
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庄内地域で生産から消費まで管理する新たな自給ネットワークシステムの構築を目的に、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(生活クラブ生協、加藤好一会長)に各種食材を供給する庄内の企業・団体による生活協同組合「庄内親生会」の創立総会が16日夜、酒田市のガーデンパレスみずほで開かれた。創立に向けて中心となっている平田牧場(酒田市、新田嘉七社長)によると、生産者による組合設立は全国初という。今月中に許認可権を持つ県に対して設立認可を申請し、認可されれば来年4月から、自ら生産した食材を含め生活クラブ生協商品の購入が可能になる。
生活クラブ生協は1990年の設立以来、国産、無添加、減農薬といったこだわりの商品を宅配や共同購入で全国各地に届けている。平田牧場をはじめ、JA庄内みどり(酒田市、阿部茂昭組合長)、月山農場(鶴岡市、齋藤三郎社長)など庄内の企業・団体は長年にわたって農畜産品や加工品を納めているが、庄内地域は対象エリア外のため、これまで購入ができなかった。
地域相互扶助の中から持続可能で住みやすい社会づくりを図るため、特に食の自給ネットワークを構築しようと、庄内親生会創立に向けて昨年11月に設立発起人会(代表・新田社長、21人)を立ち上げ、これまで会合を随時開催するなどして準備を進めてきた。
創立総会資料などによると、組合員は現在のところ、庄内の11企業・団体の616人。組合員は生活クラブ生協が配布する「食べるカタログ」から注文した商品を週1回、平田牧場・JA庄内みどり関連施設など4カ所で受け取るシステムを想定している。一般組合員の募集に関しては今後検討する。認可されれば全国で33番目の組合となり、総組合員数38万人にも及ぶネットワークに仲間入りする。
創立総会では定款や事業計画、役員候補など計8議案を可決した。発起人会代表の新田社長は総会の冒頭、「自分たちで作った消費材を自ら利用できないという状況が長く続いていた」と述べた上で、「食、エネルギー、福祉の自給ネットワーク構築に向けた一環。生産から消費まで管理する新たなシステムとして成功に導きたい」とあいさつした。