2017年(平成29年) 7月27日(木)付紙面より
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鶴岡市の三瀬地区自治会(加藤勝会長)は環境省が実施する「地域活性化に向けた協働取組の加速化事業」に昨年度に続き継続採択され、地域の森林資源の有効活用を目指す「木質バイオマスで地域のエネルギーを自給自足」事業を行う。25日、三瀬コミュニティセンターで本年度第1回全体会議が開かれた。
三瀬地区自治会の同事業は地区内で大型施設を所有する県、市、市社会福祉協議会と協働して木質バイオマス利用のメリット・デメリットの検証、地区内で木質バイオマスを製造する会社と協働して森林資源の加工法や利用者への届け方の検証を行う。さらに検証結果を基に地区住民への認知拡大、森林から生じるエネルギーを地元施設や一般家庭で使用する仕組みを構築して雇用を生み、地域に活力を取り戻すことを目指していく。
この日の会議には事業協働者ら約20人が出席。事業説明では、事務局を務める石塚慶さんが「地域の森林整備とその木材をエネルギーとして利用することで地域に活力が生まれる」と目的を説明し、「本年度は一部施設へのまきボイラーの導入や三瀬地区をつなぐ協議会の設立を目指す」と本年度の目標が説明された。
アドバイザーを務めるバイオエナジー・リサーチ&インベストメントの梶山恵司社長は「目標をどこまで具体的な成果に結び付けられるか、利用拡大をどう図るかが大事」、東北芸術工科大環境デザイン学科の三浦秀一教授は「人口減など大きな問題を視野に入れ、三瀬で暮らす価値をこの事業を通してアピールしなければ」と講評。加藤自治会長は「昨年度で組織の基盤づくりは達成した。地域活性化と荒廃した山の再生を目標に取り組みたい」と話していた。
2017年(平成29年) 7月27日(木)付紙面より
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庄内藩と薩摩藩が敵味方に分かれて戦った戊辰戦争を機縁とし、鶴岡市と兄弟都市盟約を結ぶ鹿児島市の中学生親善使節団が25日から3泊4日の日程で鶴岡市を訪れている。庄内藩ゆかりの史跡を巡るなどしながら、歴史や風土を学ぶとともに交流を深めている。
戊辰戦争で降伏した庄内藩に対し、寛大な処置を取るよう計らったとされる薩摩藩の西郷隆盛(南洲)翁と、庄内藩の菅実秀(臥牛)翁との「徳の交わり」を縁に1969年、兄弟都市盟約を締結。74年から中学生を交互に派遣しており、鹿児島からの訪問は今回で24回目。
今回は鹿児島玉龍中学校の下田浩道校長を団長に、同市内の30校から生徒計30人と引率教諭3人が来鶴。初日は鶴岡アートフォーラムで歓迎式と市長表敬が行われ、甲東中3年の中久保佑樹さん(15)が「徳の交わりを縁に先人たちが続けてきた交流をさらに深めたい」とあいさつ。榎本政規鶴岡市長は「遠くの地と縁を心の隅にとどめてもらうとともに、友好の輪をさらに発展させてもらいたい」と歓迎した。
一行はこの後、庄内藩が官軍参謀・黒田清隆に降伏した場所でもある旧庄内藩校致道館を見学。26日は鶴岡市の中学生30人と共に羽黒山や松ケ岡開墾場などを見学。27日は市自然学習交流館「ほとりあ」での研修や加茂水族館見学、南洲神社訪問。28日に帰途に就く。