2018年(平成30年) 3月29日(木)付紙面より
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旧暦・初午(はつうま)の27日夜、鶴岡市平京田に伝わる「あぶらげ取り」と呼ばれる稲荷(いなり)神社の初午行事が地区内で行われた。園児から小学生の男子たちが各戸敷地内に祭られているお稲荷様のほこらを巡り、お供え物の厚揚げや赤飯を回収、五穀豊穣(ほうじょう)を願って手を合わせた。
地区住民によると100年以上続いているとされるが、由来や起源は定かではない。農作が盛んな平京田にはお稲荷様を祭る家庭も多いことから、五穀豊穣祈願の行事という認識の住民は多い。各戸のお稲荷様にはあらかじめお供え物が用意されており、参加した男子は特に各戸に断りもなく回収、その後山分けする―といった独特の風習。
この日は午後6時すぎ、園児から小学校6年生までの10人が同市平京田の薬師神社に隣接するお稲荷様に集合。お稲荷様がない家はここにお供えする決まりという。その後、1時間ほどかけて計16カ所を訪問。各戸で「お菓子もある」「残念、今年はなかった」と一喜一憂しながら懐中電灯片手に探検気分を味わっていた。
参加した京田小6年の千葉結真君(12)は「あぶらげが好きだから楽しみな行事。他のところでも同じようにやっていると思っていた」と話していた。