2024年11月25日 月曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2018年(平成30年) 3月30日(金)付紙面より

ツイート

旧家・祥風庵で60年ぶり 貴重なひな人形120体飾る

 酒田市本町一丁目の古家(ふるや)家(古布と手作りの店「祥風庵」)で、江戸時代初期に作られた「寛永風びな」や、同中期とみられる「享保びな」をはじめとした貴重なひな人形約120体が展示されている。旧家などが所蔵するひな人形を巡るイベント「春色の酒田雛(ひな)街道」実行委員を務める工藤幸治市芸術文化協会長(酒田あいおい工藤美術館長)の強い勧めで実に60年ぶりに飾ったもので、その愛らしさが訪れた人たちを魅了している。

 古家家は、江戸時代末期から昭和時代初期にかけて主に米穀商として財を成し、大正―昭和時代には先祖が酒田米穀取引所仲買人に名を連ねていた。工藤会長が昨年、同イベントでの展示に向け旧知の古家家現当主、古家裕さん(67)と共に家屋内の押し入れに入っていた茶箱、ひな箱の中から「貴重で優れたひな人形」(工藤会長)を見つけた。

 「私が上京する前、昭和30年代前半まで母が飾っていた。帰郷したものの、どう飾ったらよいか分からなかった」(古家さん)ことから今回、工藤会長が飾り付けをサポートした。

 江戸時代初期に作られたとみられる「寛永風びな」は男びなの烏帽子と顔、首が一体化しているのが特徴。紅花染めなどあでやかな色合いが残る衣装に身を包んだ「六歌仙」、丸々とした顔立ちをした次郎左衛門風の「五人囃子(ばやし)」、烏帽子、冠を除いて男びなが48センチ、女びなが34センチとかなりの大きさを誇る古今びななど、貴重な人形たちが所狭しと並ぶ。

 また、古家家に伝わる庄内押し絵や手遊び人形も展示され、訪れた人たちは時がたつのを忘れるかのように見入っていた。古家さんは「旧家に残るひな人形はその家の歴史といえる」と。工藤会長は「愛好家必見の古典人形。実行委員として20年ほど雛街道に関わっているが、市内の旧家にはまだ貴重な古典びなが残っているはず。これからも説得力のある『宝物』を発掘したい」と話した。古家家の展示は4月10日(火)まで、「―雛街道」は同3日(火)まで。

60年ぶりに日の目を見た古家家に伝わる古典人形の数々を解説する工藤会長
60年ぶりに日の目を見た古家家に伝わる古典人形の数々を解説する工藤会長



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field