2018年(平成30年) 3月31日(土)付紙面より
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東北公益文科大は29日、人物の動きなどをデジタル化して記録する技術「モーションキャプチャー」での記録を基に作成した鶴岡市黒川地区に伝わる民俗芸能「黒川能」(国指定重要無形民俗文化財)のオリジナルCGアニメーションのプロトタイプ(試作)を発表した。
同大は本年度文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」に採択され、庄内地方を基盤とした地域文化とIT技術を融合させ伝承環境を研究している。その中で、玉本英夫特別招聘研究員(69)はモーションキャプチャーを活用して黒川能を記録し、CGアニメーションで再現する研究に取り組んでいる。
黒川能の里「王祇会館」館長で下座の上野由部能太夫の協力で昨年4月から撮影開始。頭や手足など全身17カ所にセンサーを着けて舞い、「高砂」などのデータを取った。
29日、王祇会館で行われた発表会で「高砂」を舞うCGアニメーションを披露した玉本さんはさまざまな角度からアニメーションを写し「拡大・縮小が簡単にでき、360度どこからでも動きを確認できる」とメリットを紹介。「足や扇の動きなど細かい部分を修正するとともに、演じられることが少なく消えてしまいそうな演目などを記録したい」と話した。
上野館長は「映像を稽古や技術向上に活用したい。来館者にも見てもらえるように検討していく」と話していた。